ETFと投資信託の違い
ETFは、パッシブ運用と呼ばれ、ベンチマークとする指標(日経平均株価、S&P500など)と同じ値動きがするような運用方法です。
投資信託では、インデックス型の投資信託が同じような運用方法を取られます。
しかし、ETFと投資信託では、それぞれに違いがあります。本記事では、特にインデックス型の投資信託と比べた違いをご紹介します。
ETFと投資信託の主な違いは、東京証券取引所やニューヨーク証券取引所などの証券取引所に上場し、市場で売買できるかどうかという点です。
こうした点から、取得場所や取得価格、信託報酬、手数料、分配方式といった細かい点が異なります。
一般的にETFの方が、信託報酬が安い傾向にあります。
以下にETFと投資信託の違いをまとめた表を作成しましたので、参考にしてください。
ETFと通常の投資信託では、購入の仕方が異なります。
ETFは、口数(株の場合、単元)に応じた金額で購入することになります。
口数とは、ETFの取引単位のことで、株式でいうところの1株が1口に当たります。
株の場合であれば、1単元(100株)と決められていますが、ETFの場合は、銘柄によって口数が異なり、1・10・100口単位と様々あります。
例えば、「iシェアーズ・コアTOPIX」は1口から購入でき、1口の価格は1,750円程度で推移しています(2020年1月時点。)
一方、投資信託は、口数を指定して購入する方法、金額を指定して購入する方法、毎月一定額積み立てて購入する方法など様々あります。
一般的には1万口単位で設定されており、銘柄検索等で記載されている基準価額は、基本的に1万口あたりの価格になります。
例えば、基準価額が5,000円である場合、1万口購入するには最低でも5,000円の資金が必要になります。
ETFや投資信託で運用するならS&P500!
ETFやインデックス型の投資信託に投資する際、投資対象とする銘柄がベンチマークとする指標(日経平均株価、S&P500など)を何にするかが非常に重要になってきます。
つまり、日経平均株価、アメリカのダウ平均、S&P500などのうちどの指標に投資するのか決める必要があるということです。
数ある指標の中で、おすすめなのがS&P500です!
S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカを代表する株価指数の一つです。
アップル、マイクロソフト、Amazon、Facebook、JOHNSON & JOHNSON等の世界を席巻する名だたる企業から構成されています。
S&P500と日経平均株価の過去のチャートを表しています。
S&P500
(引用元:S&P500指数チャート - SPX価格 — TradingView)
日経平均225
(引用元:日経平均株価チャート – NI225価格 — TradingView)
上のグラフがS&P500、下のグラフが日経平均の過去30年間のフローです。
日経平均は、過去30年間、最高値を更新できず、長期停滞状態です。
一方、アメリカのS&P500は、ITバブル崩壊、9.11のアメリカ同時多発テロ事件、2008年のリーマンショックなどの事件があったにもかかわらず、長期的に観たら右肩上がりに上昇しており、現在も過去最高値を更新しています。
いくつもの大暴落に直面しながらも数年で回復し、乗り越えてきたのがアメリカ経済の強さといえます。
仮に30年前の1990年に100万円をS&P500を対象としたETF等に投資していれば、30年後の2020年には10倍以上の1,000万円以上になっていたことになります。
S&P500に投資することで、30年間で資産は10倍超となっているのです。
あの世界的な投資家ウォーレン・バフェットは、自分が亡くなった後の資産の管理について妻に「資産の90%はS&P500、残りの10%は政府短期国債に投資せよ」と告げたと言われているほどです。
S&P500とは?
S&P500(Standard & Poor’s 500 Stock Index)は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカを代表する株価指数の一つです。
このS&P500は、ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT(アメリカン証券取引所)、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数と言われています。
時価総額加重平均型株価指数(じかそうがくかじゅうへいきんがたかぶかしすう)は株価指数の算出方式の一つ。組入銘柄の時価総額合計を、基準となる一時点での時価総額合計で除算して求めるものである。世界の多くの株価指数がこの方式を採用している。
株価平均を算出する株価平均型株価指数と違い、一部の小規模な値がさ株に影響される心配が少ない。反面、時価総額の高い大型株の割合が大きくなるので、親会社の保有分や持ち合い株などの固定株比率が高く株価変動が少ない銘柄に影響されやすい性質がある。これらの株が市場で取引されることはまれなため、指数と売買実態が乖離する状況もあり得る。また、互いに持ち合いをしている会社同士などがそれぞれ上場することで、指数に時価総額が二重に計上されてしまう問題もある。
これらの問題から、20世紀末以降世界的に、時価総額に算入する株数を浮動株のみに絞った浮動株基準株価指数への移行が進んでいる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
米国株式市場の動向を表す株価指数として、ニュース等でよく耳にするのは、NYダウ平均かもしれません。
しかし、NYダウ平均は、構成銘柄数が30銘柄で平均株価をリアルタイムで公表する株価平均型株価指数を採用しています。
S&P500は、ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT(アメリカン証券取引所)、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数を採用していることから、構成銘柄数、インデックスの算出方法に違いがあります。
分散性という観点ではS&P500の方が優れているといえます。
S&P500に連動する投資信託おすすめ銘柄
S&P500をベンチマークとするインデックスファンドは、「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「楽天・全米株式インデックスファンド」、「iFree S&P500インデックス」、「iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド」、「米国株式インデックス・ファンド」が主に挙げられます。
ここでご紹介している投資信託は、Apple、マイクロソフト、Amazon、Facebook、JOHNSON & JOHNSON等の世界を席巻する名だたる企業の株式に投資しています。
投資信託の投資先は、Apple、マイクロソフト、Amazon、Facebookだけで10%以上を占めています。
信託報酬はなるべく安いところをおすすめします。
具体的には、「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「楽天・全米株式インデックスファンド」です。
ここでご紹介している銘柄は、S&P500に連動して上昇していくため、パフォーマンスはあまり変わりません。
そのため、なるべく信託報酬が安い銘柄を選び、コストを抑えることが賢明です。
運用利回り以上に信託報酬が圧迫して、あまり収益が見込めない可能性があるからです。
昨年2019年に、低コストな「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」に対抗して「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」も信託報酬を引き下げ、投資信託としては破格の信託報酬となっています。
今後も業界最低水準の運用コストとなることが期待できます。
ちなみに「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」は海外ETFの「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」に実質的に投資することにより低コスト化を実現しています。
S&P500に連動するETFおすすめ銘柄
今回は、国内の株式市場で購入すことができるETFをご紹介します。SBI証券や楽天証券、松井証券等のネット証券で他の日本株同様、簡単に売買することができます。
S&P500をベンチマークとするETFは、「SPDR S&P500 ETF」、「上場インデックス ファンド米国株式(S&P500)」、「iシェアーズ S&P500 米国株 ETF]」、「上場インデックス ファンド米国株式(S&P500)為替ヘッジあり」が挙げられます。
投資信託同様、信託報酬がなるべく安いところをおすすめします。
具体的には、「SPDR S&P500 ETF」です。
S&P500に連動して上昇していくため、パフォーマンスはあまり変わらないことから、なるべく信託報酬が安い銘柄を選ぶことをおすすめします。
国内ETFは、海外ETFに比べ、流動性が低いことから、注文した金額で約定しないことがありますが、上記国内ETFはすべてマーケットメイク対象銘柄となっていますので、流動性が向上されています。
マーケットメイクとは、金融商品市場において、マーケットメイカーが常時売り買い両方の気配を示し、投資家の注文に約定を保証することをいいます。