今回は、割安株や成長株を探し出すためのヒントとなる指標についてご紹介していきます。
- まずは、EPSとROEをみよう!
- 次にPER、PERをみよう!
- PBRは1倍以下なら割安!
- 代表的な指標である財務諸表
- 【必見】四季報に全てがまとまっています!
- 楽天証券なら四季報を無料で閲覧できます!
まずは、EPSとROEをみよう!
これらのうち世界的な投資家であり「投資の神様」とも呼ばれるウォーレン・バフェット氏が特に重視しているのはEPSとROEです。
EPSが順調に増えている企業に!
EPSとは、成長性を見る指標です。EPSの推移を見るようにしましょう。
順調にEPSが増えていれば、成長性のある企業であると言えます。
EPS:Earnings Per Share(1株当たり利益)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、1株に対して当期純利益がいくらあるのかを表す指標です。
「1株利益」「1株あたり当期純利益」と呼ばれることもあります。
EPSは、会社の規模にかかわらず1株あたりの当期利益の大きさを表しているため、値が大きいほど良いとされます。
他社と1株当たり利益を比較することで、会社規模の影響を除外した収益性の分析も可能です。
そのため、株式投資で銘柄の比較を行う際にも用いられます。
順調にEPSが増えている企業は、安定的に収益をあげ、しかも成長中の企業なので、投資先として検討しましょう。
ROEは10~20%程度が優良企業
ROEは、10~20%程度であれば優良企業であると判断されます。
ウォーレン・バフェット氏も注目の指標です。
自己資本利益率(ROE:Return on Equity)とは、自己資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の指標です。
自己資本とは、株主からの出資金と事業活動から得た利益の蓄積を表しています。
ROE(自己資本利益率)は、企業が自己資本をいかに効率的に運用して利益を生み出したかを表す指標です。
株主の立場から見ると、自己資本利益率が高い会社は「自分が投資したお金を使って効率よく稼いでいる会社」であると見ることができます。
※ROE(自己資本利益率)の目安
一般的には、自己資本利益率が10~20%程度であれば優良企業であると判断されます。
ROEが高い企業は、効率的な経営ができていると判断されます。
ちなみにROEが高い銘柄は、特に海外投資家からの人気が高く、株価が上昇しやすいと言われています。
次にPER、PERをみよう!
EPSやROEが高くても、株価がその価値に対して割安でないと、株価の上昇は期待できません。
株価の割安感をはかる方法としては、以下の3つの指標があります。
・PBR(純資産倍率)
・PER(株価収益率)
・PCFR(株価キャッシュフロー倍率)
今回は、そのうち代表的な指標である、PERとPBRについてご紹介していきます。
PERが15倍以下なら割安
株価収益率(PER:Price Earnings Ratio)とは、財務分析で企業の成長性を分析するときに利用する指標の一つであり、株価が1株ごとの当期純利益の何倍まで買われているかを表すものです。
PER(倍) = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)
PERが低いほど会社の利益に対して株価が割安であり、高いほど株価は割高だと判断できます。
PERは会社の利益を基準に判断し、PBRは会社の資産を基準に判断されます。
PER15倍以下なら割安と言われています。
逆にPERが30倍以上の場合は、株価が高すぎるという割高状態にあります。
一般的にはPERが15以下なら割安だとされますが、業種によって多少の差があります。
成長の期待が高いIT企業や、景気変動の影響を受けにくい生活必需品のメーカーなどはPERが高くなり、成熟した産業や景気変動の影響を受けやすい企業(自動車、家電など)はPERが低くなる傾向にあります。
裏を返せば、PERは企業の期待値であるともいえます。
成長が期待できるところは高く、成熟しきっているところは低い傾向にあります。
PERは同業他社と比較してください!
PBRは1倍以下なら割安!
PBR:Price Book-Value Ratio(株価純資産倍率)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、会社の純資産に対して株価が適当な水準であるのかを表す指標です。
PBR(株価純資産倍率)は、1株あたりの純資産に対して、何倍の株価で株が買われているかを表しています。PBRを見れば、会社の資産に対して株価が高いか安いかを判断できます。
PBRの目安は1倍以上です。
一般的な目安として、PBR(株価純資産倍率)が1倍以上なら割高で、1倍を割るようであれば割安であると考えられています。
PBRが1倍ということは、株価とBPS(1株あたり純資産)が等しいということであり、その投資段階で会社が解散した場合、株主には投資額がそのまま戻ってくるということを表しています。
低いPERやPBRの銘柄の注意点!
PERやPBRが低い銘柄を見つけたら、すぐさまお得だと判断するのは危険です。
PBRやPERは、株価が下落すると低くなる、つまり割安になることに注意してください!
割安になったから良いというわけでもないのです。
低PBR、低PERの銘柄を見つけたら、株価が下落傾向にあるかどうか、下落しているなら必ずその理由を調べるようにしましょう。
例えば、倒産しそうで株価が下がっているなら、割安に見えても投資はできません。
PERとPBRは低くなった理由を探れ!
PERやPBRが低い銘柄の中には、連続赤字続きで倒産寸前で株価が下がっている会社や、衰退産業のために毎年のように株価が下がっているような会社も存在します。
一方で、不祥事が報道されて株価が下がっているものや、技術力やブランド力に定評があり、業界で不動の地位を持っている企業なら、株価は回復すると予想できます。
株価が下落傾向にあるかどうか、下落しているなら必ずその理由を調べるようにしましょう。
具体的な例としては、巨額の損失隠しを行っていたことが明らかになり、2011年の後半に株価が暴落したオリンパスです。
今では、見事に株価を回復させました。
代表的な指標である財務諸表
ファンダメンタルズ分析でよく使われるのが財務諸表です。
財務諸表には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つから成り立っています。
バフェット氏も、最低10年分の財務諸表を読み投資先を選定するそうです。
財務諸表からは、ROEを始め、自己資本比率や流動比率など安定性に関わる指標などが読み取れます。
貸借対照表は安全性がわかる!
貸借対照表からは企業の安全性を確認することができます。
貸借対照表(バランスシート)は、財務の健全性、経営の安定性を把握できる決算書です。
以下のような指標を使って、会社としての財務の健全性、経営の安定性をはかります。
自己資本比率
純資産にしめる自己資本の割合。40%以上なら優良。
自己資本比率70%超は、超優良企業の証です。
自己資本比率とは、返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%あるかを示す数値です。
自己資本とは、株主からの出資金と事業活動から得た利益の蓄積を表しています。
自己資本比率は、自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)で算出します。
自己資本比率が小さいほど、他人資本の影響を受けやすい不安定な会社経営を行っていることになり、倒産するリスクが高まります。
一方で自己資本比率が高いほど経営は安定し、倒産しにくい会社となります。
自己資本比率は会社経営の安定性を表す数値であり、高いほどよいのです。
では自己資本比率がどのくらいなら倒産しない会社といえるでしょうか。
一般に自己資本比率が70%以上なら理想企業ならまずつぶれません。
40%以上なら倒産しにくい企業といえます。
流動比率
流動資産を流動負債で割った率。1年以内に返済する必要がある借金を返す余裕が有るか確認できます。
有利子負債依存度
借金に頼りすぎていないかを確認する指標です。50%以上なら危険です!
損益計算書は企業の収益性の高さがわかる!
損益計算書は、企業が得た儲けや、その儲けを得るために使った費用をまとめた決算書です。
冒頭でご紹介したROEも、損益計算書と貸借対照表から導き出されます。
この損益計算書には、企業の収益性の高さや、いかに効率良く利益を上げているか把握できる指標が多数揃っています。
今回はそのうちの代表的な指標である、ROEとROAについてご紹介します。
ROEについては、冒頭でご紹介しましたので、ROAをメインにご紹介します。
ROEは10~20%程度が優良企業
ROE(自己資本利益率)は、企業が自己資本をいかに効率的に運用して利益を生み出したかを表す指標です。
つまり、株主からの出資金と事業活動から得た利益の蓄積をどれだけ有効に使ったかわかる指標です。
※ROE(自己資本利益率)の目安
一般的には、自己資本利益率が10~20%程度であれば優良企業であると判断されます
ROAは5%超が優良企業
ROA(総資産利益率:Return On Assets)とは、総資産に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の収益性の指標です。
基本的にROAはROEと組み合わせ使います。
純資産(自己資本)、負債(他人資本)を含めた、すべての資本をいかに効率的に運用できているかを表す情報とも言えます。
ROAが5%が超えていると優良企業であると判断されます。
※ROAの目安は?
一般的に、ROAが5%が超えていると優良企業であると判断されます。ただし、業種によって基準が変わってくるため、ROAを分析する際は同業種の水準と比較することが大切です。
資金繰りと成長意欲を見る!キャッシュフロー計算書
貸借対照表と損益計算書でもたくさんのことが読み解けましたが、実はこのふたつの決算書では企業活動による実際のお金の流れがわかりません。
そこで登場するのがキャッシュフロー計算書です。
キャッシュフローとは、お金の流れを意味します。
このキャッシュフロー計算書ですが、イメージとしては家計簿に近いものと考えてください。
キャッシュフロー計算書は、3つの企業活動によるキャッシュフロー(お金の流れ)から構成されています。
営業キャッシュフロー
仕入れや販売等の営業活動によるお金の流れを表しています。
営業キャッシュフローがプラスということは、本業が順調であることを表しています。
手元の現金が増えることになりますので、その現金で新たに投資をしたり、借金を返済したりすることができるのです。
逆に、営業キャッシュフローがマイナスということは、キャッシュが入ってくる金額より、出ていく金額の方が多くなります。
手元にある現金が少なくなるため、会社を運営していくには厳しくなる可能性があります。
営業キャッシュフローは、必ずプラスの銘柄を選ぶようにしましょう。
投資キャッシュフロー
固定資産や有価証券の売買といった投資活動によるお金の流れをあらわしています。
投資キャッシュフローでは、手元現金をどのように活用しているのかが分かります。
固定資産とは、土地、建物、機械などの有形のものと、ソフトウェアなどの無形のものがあります。
有価証券は、手形、小切手、株券、債券などがあります。
固定資産は、商品を製造したり商品の付加価値を高めるために取得されます。
そのため、「固定資産の取得による支出」の数字が多いほど、設備投資を積極的に行っている、将来の成長意欲を持つ会社であるということになります。
有価証券は、手元現在が多くなってきたら取得され、手元現金が少なくなってきたら売却される傾向にあります。
基本的に投資キャッシュフローは、マイナスが良いでしょう。
過度な投資キャッシュフローのマイナスは、問題ですが、投資キャッシュフローのマイナスは、将来の成長意欲を示しているのです。
「営業キャッシュフロー」+「投資キャッシュフロー」がプラスとなっていれば、適度な投資といえます。マイナスになっていると過度な投資をしている可能性があります。
「営業キャッシュフロー」+「投資キャッシュフロー」は、フリーキャッシュフローと呼ばれ、企業の自由に使えるお金を表します。
財務キャッシュフロー
財務キャッシュフローは、銀行からの借り入れや返済、社債の発行や償還、新株の発行、株主への配当金の支払いなどのお金の流れを表しています。
一般的に財務キャッシュフローは、マイナスがよいと言われています。
財務キャッシュフローがマイナスとは、借金を返済できている状態です。
キャッシュフローは組み合わせて使われます!
例えば、営業キャッシュフローがマイナスで、財務キャッシュフローがプラスだと、営業活動による現金収入がなく、銀行から借金をしている可能性があるので、「資金繰りが苦しいのではないか」と推測できます。
逆に財務キャッシュフローがプラスで、投資キャッシュフローがマイナスなら、銀行から借金をしていても、成長を見越して設備投資にお金を使ったことがわかるので、将来が期待できます。
営業キャッシュフローのプラスと投資キャッシュフローのマイナスを合わせて合計がプラスになれば、適度な将来に向けた投資を行なっていると言えます。
【必見】四季報に全てがまとまっています!
ファンダメンタル分析をするための指標がコンパクトにまとめられているものといえば、東洋経済新報社の「会社四季報」です。
昔から株式投資には必須のアイテムと呼ばれています。
上場企業全社の情報が一冊にまとまっているので、同業種や類似する銘柄の比較も簡単に行えます。
これまでご紹介してきた、指標をまずおさえれば大丈夫です。
以下では四季報で特に注目すべき欄をご紹介します。
業績欄で成長株かわかります!
業績欄には、先ほど紹介したEPSのほか、売上高や経常利益、当期利益などの企業の業績に関する数字が掲載されています。
四季報の素晴らしいところは、この業績が過去5年分と、この先2年分の予想の合計7年分も掲載されいることです。
EPSのところでも言ったように、業績は年々順調に伸ばしていっていることが非常に重要です。
四季報なら、簡単に業績の経年変化を確認できます!
これまでご紹介してきた、ROE、ROA、自己資本比率、キャッシュフローなども多数掲載されています。
株主欄で今後の株価動向がわかります!
株主欄には、その銘柄の株を保有している株主のうち、保有株数の上位数名が掲載されています。
この株主たちが誰なのか確認することで今後の株価の動向が見えてきます。
大株主が誰なのかによって企業の経営方針に変わるため、株価の動向の特徴が掴めるのです。
大株主が経営者である銘柄を推奨します。
なぜなら、経営者であれば、経営判断も速く会社に対する意気込みが違います。
経営者が筆頭株主である企業は、株価を上げるのに熱心な傾向があります。
また、業績が悪くなるとすぐに減配をするといった株主に不利になることをあまりしない傾向にあります。
自社株をもっている社員が多いことも一つの好材料です。
一方で、大株主の中に銀行の名前がたくさんある銘柄は注意です!
付き合いの関係で銀行から多数の借り入れを行なっているケースが多いからです。
また、外国人持ち株比率が高い銘柄は、持ち株比率が下がり始めると株価が急落しやすいと言われています。
成長する株の予想、ランキングもあります!
四季報には、記者が業績や財務状況を分析している記者コメントや四季報予想、ランキングも掲載されています。
実際に四季報の営業増益率ランキングでトップとなり、記者コメントも好意的だったことから、四季報発売日当日に株価が急騰し、ストップ高になった銘柄もあります。
四季報は、株式投資のメジャーアイテムであるだけに、コメントや四季報予想が好意的だと、四季報発売日に株価が急上昇することがあります。
逆に四季報でネガティブなコメントや予想がつくと、株価が下落することもあります。
また、ランキングで上位にきている銘柄から投資先を選んでいる投資家もいます。
ランキング上位の企業はチェックしておきましょう。
楽天証券なら四季報を無料で閲覧できます!
企業の最新の経営状況は日々更新されていくため、四季報も年4回も発売されます。
そのため、毎回購入するは少々大変です。
なんと楽天証券には四季報のデータを無料で閲覧できるサービスがあります!
プロも愛用する楽天証券の株取引ツール「マーケットスピード」なら、会社四季報はもちろん四季報速報まで全部見られます。
ところが、マーケットスピードを使わなくても、楽天証券のWebページでは、無料で四季報が見れます!
四季報を見るためだけに楽天証券に口座を持つのものありだと思います。
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