S&P500と聞いて、「S&P500?なにそれ?」という方も多数いらっしゃるかと思います。
初心者の方や日本株をメインに投資している方は、S&P500と聞いてもピンと来ないかもしれません。私も昔はその一人でした。
実は、あの世界的な投資家ウォーレン・バフェットは、自分が亡くなった後の資産の管理について妻に「資産の90%はS&P500、残りの10%は政府短期国債に投資せよ」と告げたと言われているほど優良な投資先なのです。
今回は、S&P500とはどんなものなのか深掘りしていきます。
S&P500とは?
S&P500(Standard & Poor’s 500 Stock Index)は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカを代表する株価指数の一つです。
このS&P500は、ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT(アメリカン証券取引所)、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数と言われています。
時価総額加重平均型株価指数(じかそうがくかじゅうへいきんがたかぶかしすう)は株価指数の算出方式の一つ。組入銘柄の時価総額合計を、基準となる一時点での時価総額合計で除算して求めるものである。世界の多くの株価指数がこの方式を採用している。
株価平均を算出する株価平均型株価指数と違い、一部の小規模な値がさ株に影響される心配が少ない。反面、時価総額の高い大型株の割合が大きくなるので、親会社の保有分や持ち合い株などの固定株比率が高く株価変動が少ない銘柄に影響されやすい性質がある。これらの株が市場で取引されることはまれなため、指数と売買実態が乖離する状況もあり得る。また、互いに持ち合いをしている会社同士などがそれぞれ上場することで、指数に時価総額が二重に計上されてしまう問題もある。
これらの問題から、20世紀末以降世界的に、時価総額に算入する株数を浮動株のみに絞った浮動株基準株価指数への移行が進んでいる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
米国株式市場の動向を表す株価指数として、ニュース等でよく耳にするのは、NYダウ平均かもしれません。
しかし、NYダウ平均は、構成銘柄数が30銘柄で平均株価をリアルタイムで公表する株価平均型株価指数を採用しています。
S&P500は、ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT(アメリカン証券取引所)、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数を採用していることから、NYダウ平均とは構成銘柄数、インデックスの算出方法に違いがあります。
分散性という観点ではS&P500の方が優れているといえます。
つまり、S&P500は米国の優良企業500社を対象とした指標なのです。
S&P500は日本でいうところのTOPIX!
S&P500は米国の優良企業500社を対象とした指標であるとご紹介しました。
S&P500は日本でいうTOPIXのようなものです。
TOPIXは、東証株価指数とも呼ばれ、東証一部に上場している全銘柄を対象とした指数です。
ちなみに、日経平均株価は厳選された225銘柄によって算出される指標です。
TOPIXの方が日経平均株価よりもカバーしている銘柄が多いのです。
日本のTOPIXとアメリカS&P500はよく比較されます。
日経平均株価と比較されるのは、アメリカのダウ平均です。
ダウ平均は、30銘柄から構成されています。
一方で、S&P500は、500社を対象としており、ダウ平均よりかなり多くの会社をカバーしています。
日経平均株価よりTOPIXの方がカバーしている会社が多いため、TOPIXとS&P500が比較されるわけです。
数ある指標のなかでなぜS&P500なのか?
日経平均株価、アメリカのダウ平均、S&P500など数ある指標の中で、おすすめなのがS&P500です!
それは、S&P500が最強の指標だからです。
S&P500と日経平均株価を比べてみましょう。
下のグラフは、S&P500と日経平均株価の過去の推移を表したものです。
S&P500は、過去最高値を更新し続けているのに対して、日経平均株価は30年以上もの間、過去の最高値を更新できずにいます。
S&P500
(引用元:S&P500指数チャート - SPX価格 — TradingView)
日経平均225
(引用元:日経平均株価チャート – NI225価格 — TradingView)
また、S&P500はリーマンショック直後の相場も20年前と比べたら、およそ2倍になっているのです!
この数値は、分配金が含まれていないので、分配金を含めば2倍ではすみません。
リーマンショック1年後の2010年には、1180ポイントになっており、値上がりだけで3倍以上になりました。
2000年初めのS&P500は、約1400ポイントとなっていました。
ITバブル崩壊とリーマンショックという二度の大暴落を経験しながらも、20年後の2020年現在のS&P500は、約3240ポイントです。
2000年にS&P500に投資していれば、資金は2倍以上になっています。
さらに1990年と2020年現在を比較すると、10倍近い数値となっています!
あの世界的な投資家ウォーレン・バフェットは、自分が亡くなった後の資産の管理について妻に「資産の90%はS&P500、残りの10%は政府短期国債に投資せよ」と告げたと言われているほどです。
S&P500に投資するとはどういうこと?
S&P500に投資するということは、投資信託を購入するという意味します。
S&P500を対象としたETFもありますが、ETFも投資信託が上場し普通の株式のように投資信託を買えるようになったものにすぎません。
昔は、S&P500に投資するといえば、米国ETFを購入するのが主流でした。
米国ETFの方が国内投資信託よりも信託報酬が安かったからです。
しかし、無理して米国ETFを買う必要もなくなりました。
最近は投資信託の手数料コストが非常に安くなったからです。
投資信託の信託報酬がかなり安くなったのです。
S&P500に投資するとは、米国優良企業500社にまとめて投資するということです。
アメリカの企業には、Apple、Microsoft、Amazon、Facebook、Google、JOHNSON & JOHNSON、JPモルガン、VISA、P&G、インテル、エクソンモービル、ウォルマートといった名だたる超有名企業が多数存在します。
このように超有名企業が大量にある株の中から、個別株を選び抜くのは本当に難しいことだと言えます。
各分野や世界最強と言われるアメリカ企業たち挙げましたが、この中から1つにしぼれと言われても、初心者には難しいのではないでしょうか。
じゃあどうするか、これらにまるごと投資をするのです。
しかし、全銘柄から一つ一つ買うのは手間もお金もかかります。
それを簡単に行えるのがS&P500を対象とした投資信託です!
S&P500に投資すれば、これら全部を丸ごと買うことができます。
最強と言われている企業でも、その一社で見たときに20年~30年後どうなっているかは予想がつきません。
ただし、「米国優良企業500社」として見た場合は、ほぼ間違いなく成長していると言えます。
それは、過去のデータが物語っています。
S&P500
(引用元:S&P500指数チャート - SPX価格 — TradingView)
S&P500に連動する投資信託おすすめ銘柄!
S&P500をベンチマークとするインデックスファンドは、「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「楽天・全米株式インデックスファンド」、「iFree S&P500インデックス」、「iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド」、「米国株式インデックス・ファンド」が主に挙げられます。
ここでご紹介している投資信託は、Apple、マイクロソフト、Amazon、Facebook、JOHNSON & JOHNSON等の世界を席巻する名だたる企業の株式に投資しています。
投資信託の投資先は、Apple、マイクロソフト、Amazon、Facebookだけで10%以上を占めています。
信託報酬はなるべく安いところをおすすめします。
具体的には、「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「楽天・全米株式インデックスファンド」です。
ここでご紹介している銘柄は、S&P500に連動して上昇していくため、パフォーマンスはあまり変わりません。
そのため、なるべく信託報酬が安い銘柄を選び、コストを抑えることが賢明です。
運用利回り以上に信託報酬が圧迫して、あまり収益が見込めない可能性があるからです。
昨年2019年に、低コストな「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」に対抗して「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」も信託報酬を引き下げ、投資信託としては破格の信託報酬となっています。
今後も業界最低水準の運用コストとなることが期待できます。