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デリバティブとは?先物取引、オプション取引、スワップ取引とは?

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デリバティブという言葉を新聞やニュースで聞いたことがあるといった方もいらっしゃるのではないでしょうか。とりわけ投資経験がある方は、耳にすることがあるかと思います。

投資を始めたてという方がすぐにデリバティブを始めるといった話は、あまり聞いたことがありません。

デリバティブは、決して簡単な取引ではないからです。しかし、デリバティブができれば、投資の選択肢が何倍にも増えます。

今回は、デリバティブとは何なのか?具体的にどのような投資対象なのかご紹介していきます。

 

 

デリバティブとは?

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デリバティブ(derivative)という言葉は、日本語では一般に「金融派生商品」とか「派生商品」などと訳されています。

つまり、派生という言葉から分かるように、それぞれの元となっている金融商品があるのです。

派生元の金融商品には株式、債券、預貯金・ローン、外国為替などがあります。

これら金融商品のリスクを低下させるために、損失というリスクを覚悟して高い収益性を追及する手法として考案されたのがデリバティブです。

なんか矛盾しているような書き方ですが、要は相場が暴落したときのような時にも儲けられるように考案された金融商品です。

デリバティブには、基本的なものとして、その元になる金融商品について、将来売買を行なうことをあらかじめ約束する取引(これを先物取引といいます)や将来売買する権利をあらかじめ売買する取引(これをオプション取引といいます)などがあります。

つまり、現実にはない架空のものを今あるものとして取引するわけです。

さらにこれらを組合わせた多種多様な取引が存在します。

以下で具体的な取引をご紹介していきます。

 

デリバティブの種類

先物取引

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先物取引とは、将来の売買に対して、現時点であらかじめ売買価格や数量などを約束する取引のことです。

売買されるものは、株や商品、指数などです。例えば、日経平均先物やTOPIX先物は指数を売買します。

予約しておくことで、約束の日がきた時点で、約束をした日に決めた価格で売買を行います。

事前に売買価格を決めておけるので、価格が変動する商品の売買でよくある価格変動リスクを回避できるメリットがあります。

先物取引には、「買いヘッジ」「売りヘッジ」があります。

「買いヘッジ」は、ある商品を将来買う予定がある場合に、価格が値上がりする恐れがあるのとから、現時点で価格を決めて買う約束をする取引です。

購入を約束した日に値上がりしていても、約束した過去の時点での購入価格で買うことができます。

日経平均株価をイメージすると分かりやすいでしょう。

日経平均株価は、日々変化しています。

数日後の日経平均株価が値上がりすると予想し、値上がりする前の値段を現時点で約束します。

すると、日経平均株価が数日後値上がりしたとしても、値上がり前の価格で購入することができるわけねす。

「売りヘッジ」は、その逆です。

売却予定がある場合に、価格が値下がりする恐れがある商品の価格を現時点で決めて売る約束をする取引です。

売却を約束した日に値下がりしていても、過去の約束した時点の金額で売ることができます。

 

オプション取引

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オプションというワードを聞くと、何かに追加オプションして、特典をつけるというように追加して注文することなどをイメージするかもしれません。

オプション取引もその発想に似てるところはあります。

オプション(option)は、英語で「選択」という意味です。

それを利用するかどうかを自分で選択する意味では、デリバティブのオプション取引も似ているのです。

オプション取引は、ある金融商品の購入価格をあらかじめ決めておき、将来それを買うかどうか決められる権利を売買する取引のことです。

投資対象は、株や商品、指数などです。例としては、日経平均オプション、TOPIXオプション、個別株オプションなどがあります。

ちょっとイメージしづらいので、具体例を挙げて説明します。

例えば、現在、A社の株価が、1株1,000円だとします。

これを100株購入するには、10万円必要です。

ところが、Bさんはボーナス支給日の1カ月後にならないとその資金が用意できません。

しかし、1カ月後だと1,000円から値上がりして、買えない可能性があります。

そこで、Bさんは1カ月後に1株1,000円で買う権利を1万円で買いました。

これなら、1カ月後に1株5,000円に値上がりしていても、1株1,000円で購入が可能です。

この時、1株あたり5,000円-1,000円=4,000円の利益になっています。

逆に、1株500円に値下がりしてしまった場合でも、買う権利を行使せず1株500円で買うことができます。

ただし、後者の場合は、最初に権利を買った1万円分だけマイナスとなってしまいます。

 

 

スワップ取引

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スワップ(swap)は、英語で「交換」という意味です。

デリバティブの場合は、将来にわたって発生する利息を交換します。

代表的な例は、同じ通貨で異なるタイプの利息を交換する金利スワップです。

当ブログでもよくご紹介している、FXのスワップポイントをイメージしていただければと思います。

スワップ取引も具体例を使ってご説明します。

これは、例えばAさんは、ライオン銀行から、Bさんは、トラ銀行から同じ金額のお金(元本)を借りたとします。

Aさんは借入金利が一定の固定金利で借りました。

一方、Bさんは市場に合わせて金利が変わる変動金利で借りました。

固定金利のAさんは、今後ライオン銀行は金利が下がると考えているため、金利が固定で変わらないラ固定金利から変動金利に変えようと思っています。

変動金利のBさんは、トラ銀行の金利が今後上がると考えており、変動金利で金利が上がることを恐れています。そのため、今のうちに固定金利に変えたいと思っています。

そこで、AさんとBさんは、手を組むことにしました。

つまり、AさんとBさんは、固定金利と変動金利のローンを実質的に交換したのです。

これにより、それぞれの金利に関するリスクを減らすことが可能になります。

スワップ取引には、他にも異なる通貨ペアで将来の利息と元本を交換する通貨スワップなどなあります。