長期投資を目的として資産運用をする際、投資初心者が陥りがちな失敗として、損切りすることができず塩漬けにしてしまうといったことがあります。
ではこういった失敗を防ぐために、投資初心者がこころがけなければいけないことはなんでしょう。
答えは簡単です。いかに損をしないことです。
長期投資で成功するために必要なことは、損失をいかに減らせるかなのです。
今回は、長期投資で成功するために重要な投資戦略についてご紹介していきます。
あなたはどの投資手法をとりますか?
資産運用を考えとき、次に挙げる4つの運用手法があったとします。
あなたは、この4つの手法のうちで、どの手法を取ればより資産を増やすことができると思いますか。
➀~④の条件を「元本100万円を20年間運用した場合」に当てはめて、答え合わせをしていきたいと思います。
この問いから、長期投資で成功するために必要な投資マインドが分かります。
それでは一つずつ見ていきましょう。
➀年間取引で資産が20%増加、10%減少を繰り返した場合
元本100万円で毎年、20%増と10%減を交互に繰り返した場合、20年後には239万円という結果になりました。
➁年間取引で資産が30%増加、20%減少を繰り返した場合
元本100万円で毎年、30%増と20%減を交互に繰り返した場合、20年後には239万円という結果になりました。
③年間取引で資産が40%増加、30%減少を繰り返した場合
元本100万円で毎年、40%増と30%減を交互に繰り返した場合、20年後には239万円という結果になりました。
④年間取引で資産が50%増加、40%減少を繰り返した場合
元本100万円で毎年、50%増と40%減を交互に繰り返した場合、20年後には239万円という結果になりました。
長期投資はいかに大きな損をしないかが重要!
すでにお分かりの方もいらっしゃるかと思いますが、長期投資で必要なことはいかに大きな損失を出さないことです。
これまでご紹介してきました、4つの条件➀~④の結果を一つのグラフにまとめて比較してみました。
このグラフからも明らかのように、最も1年における減少幅が少ない➀「年間取引で資産が20%増加、10%減少を繰り返した場合」が最も高い投資成績を収めることが分かりました。
つまり、長期投資で成功するために必要なことは、1年の儲けをいかに大きくするかというよりも、1年間の損失をいかに抑えるかなのです。
そこで、投資で損失が拡大した場合は、-10%で損切りをすると良いかもしれません。
損失が拡大すればするほど、その損失を取り返すのに必要なリターンは大きくなります。
-40%の損失を出した場合、当初の元本に資産を戻すには+40%では足りません。
なんと+250%が必要なのです。
例えば、100万円を1年間運用し、1年後に-40%の40万円になってしまったとします。
40万円を再び100万円に戻すために、次の1年で+40%の運用成績をのこしたとします。
すると手元資金は、40万円×1.4で56万円です。
100万円よりも44万円も少ない結果となりました。
-40%の損失を出した場合、元の値に戻すために必要な利益は、なんと+250%なのです。
先程の例でいえば、40万円×2.5で100万円になります。
つまり、-40%の損失を出した場合、当初の元本に資産を戻すには次の年に+250%もの運用成績をのこす必要があるのです。
一年間の損失が、-10%だった場合どうでしょう。
次の年に当初の資産額に戻すために必要な利益は、+11.111・・・%。
つまり、一年間の損失が、-10%だった場合、次の年で約+11.2%の運用成績をのせば元本を取り戻すことが出来るのです。