【日産自動車】歴史的な安値圏だが買いか!?今後の見通しは?

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国内大手自動車メーカーの一つ日産自動車。

少し前まで配当利回り6%台と高配当銘柄の代表格として、注目を集めていました。

しかし、今年に入り一株あたり10円という減配を発表したことで、配当利回り2.81%と配当金はかなりボリュームダウンしてしまいました。

減配や業績悪化により株価は、300円台とリーマンショック時にならぶ歴史的な安値水準になっています。

果たしてこの値段を割安といえるのでしょうか。

今回は、そんな国内大手自動車メーカー日産自動車今についてご紹介していきます。

 

日産自動車の株価状況

株価(2020/5/14 15:00)
355.7

年初来高値

646.2(2020/1/9)

年初来安値

311.2(2020/4/6)

最高値(過去10年)

1,350.0(2015/6/3)

最安値(過去10年)

311.2(2020/4/6)

 

PER:21.41倍

PBR:0.28倍

配当金(会社予想):10円

配当利回り:2.81%

配当性向(会社予想):62.5%

配当権利付き最終日:2020年3月27日、2020年9月28日

自己資本比率:27.9%

利益剰余金:4兆8,355億円

ROE:予1.3%

ROA:予0.4%

EPS:16.61円

 

日産自動車の財務状況

自己資本比率:27.9%

自己資本比率とは、返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%あるかを示す数値です。

自己資本とは、株主からの出資金と事業活動から得た利益の蓄積を表しています。

 自己資本比率は、自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)で算出します。

自己資本比率が小さいほど、他人資本の影響を受けやすい不安定な会社経営を行っていることになり、倒産するリスクが高まります。

一方で自己資本比率が高いほど経営は安定し、倒産しにくい会社となります。

自己資本比率は会社経営の安定性を表す数値であり、高いほどよいのです。

では自己資本比率がどのくらいなら倒産しない会社といえるでしょうか。

一般に自己資本比率が70%以上ならまずつぶれません。

40%以上なら倒産しにくい企業といえます。

日産自動車の自己資本比率は、27.9%であり倒産しにくい企業だといえます。

 

ROE:1.3%

ROEは、10~20%程度であれば優良企業であると判断されます。

自己資本利益率(ROE:Return on Equity)とは、自己資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の指標です。

自己資本とは、株主からの出資金と事業活動から得た利益の蓄積を表しています。

 ROE(自己資本利益率)は、企業が自己資本をいかに効率的に運用して利益を生み出したかを表す指標です。

株主の立場から見ると、自己資本利益率が高い会社は「自分が投資したお金を使って効率よく稼いでいる会社」であると見ることができます。

日産自動車は、株主から集めたお金と事業活動から得たお金をどれだけ有効活用しているか示すROEが1.3%となっています。

日産自動車はかなり低い値となり収益性が低いのが目立ちます。

 

ROA:0.4%

ROAが5%が超えていると優良企業であると判断されます。

ROA(総資産利益率:Return On Assets)とは、総資産に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の収益性の指標です。

純資産(自己資本)、負債(他人資本)を含めた、すべての資本をいかに効率的に運用できているかを表す情報とも言えます。

一般的に、ROAが5%が超えていると優良企業であると判断されます。

ただし、業種によって基準が変わってくるため、ROAを分析する際は同業種の水準と比較することが大切です。

日産自動車ROAが0.4%であり、残念ながら総資産利益率も低水準といえます。

 

EPS:129.8円

EPS:Earnings Per Share(1株当たり利益)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、1株に対して当期純利益がいくらあるのかを表す指標です。

「1株利益」「1株あたり当期純利益」と呼ばれることもあります。

EPSとは、成長性を見る指標です。EPSの推移を見るようにしましょう。

順調にEPSが増えていれば、成長性のある企業であると言えます。

EPSは、会社の規模にかかわらず1株あたりの当期利益の大きさを表しているため、値が大きいほど良いとされます。

順調にEPSが増えている企業は、安定的に収益をあげ、しかも成長中の企業なので、投資先として検討しましょう。

以下は日産自動車のEPSの推移を表したグラフです。

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2014年:86.1円

2015年:101.2円

2016年:116.5円

2017年:165.9円

2018年:191.0円

2019年:81.6円

2020年:16.61円

2018年まではEPSは、増加を続けており上昇傾向にありましたが、2019年、2020年と大きく減少傾向にあります。

2020年は赤字予想もささやかれているため、マイナスもありえます。

 

PER:21.41倍

株価収益率(PER:Price Earnings Ratio)とは、財務分析で企業の成長性を分析するときに利用する指標の一つであり、株価が1株ごとの当期純利益の何倍まで買われているかを表すものです。

 

PER(倍) = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)

 

PERが低いほど会社の利益に対して株価が割安であり、高いほど株価は割高だと判断できます。

PERは会社の利益を基準に判断し、PBRは会社の資産を基準に判断されます。

PER15倍以下なら割安と言われています。

現在の日産自動車のPERは21.41倍で割高水準です。

株価は安値ですが、業績の悪化がしばらく続くことが予想されることから、今の値段はむしろ割高といえる水準です。

 

PBR:0.28倍
PBR:Price Book-Value Ratio(株価純資産倍率)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、会社の純資産に対して株価が適当な水準であるのかを表す指標です。

 

PBR(株価純資産倍率)は、1株あたりの純資産に対して、何倍の株価で株が買われているかを表しています。PBRを見れば、会社の資産に対して株価が高いか安いかを判断できます。

 

PBRの目安は1倍以下です。

一般的な目安として、PBR(株価純資産倍率)が1倍以上なら割高で、1倍を割るようであれば割安であると考えられています。

PBRが1倍ということは、株価とBPS(1株あたり純資産)が等しいということであり、その投資段階で会社が解散した場合、株主には投資額がそのまま戻ってくるということを表しています。

PBRは、0.28倍となっており割安といえます。

 株価指標の読み方については、以下の記事で解説していますので、是非ご覧ください。

toshilife.hatenablog.jp

 

日産自動車の株価推移

10年チャート

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出所)日産自動車(株)【7201】:リアルタイム株価チャート - Yahoo!ファイナンス

 

1年チャート

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出所)日産自動車(株)【7201】:リアルタイム株価チャート - Yahoo!ファイナンス

2018年の後半あたりから、ずっと下落基調にあります。

業績の悪化が報じられ、徐々に下落を続けてきました。

さらに新型コロナウィルスの影響で下落に追い討ちをかけた形になります。

現在は300円台で推移しており、過去10年で最安値かつリーマンショック時と同水準です。

 

日産自動車の事業内容

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出所)日産自動車株式会社グローバルサイト

 

www.youtube.com

日産自動車の当期利益の推移

当期純利益は、2018年まで上昇傾向にありましたが、2019年から大きく下落しています。

2012年:3,414億円

2013年:3,424億円

2014年:3,890億円

2015年:4,575億円

2016年:5,238億円

2017年:6,634億円

2018年:7,468億円

2019年:3,191億円 

2020年(予):650億円 

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日産は、今年2月に公表した業績見通しでは、最終利益が650億円の黒字になると予想していましま。

しかし、予想から1500億~1600億円悪化する可能性があるとしています。

つまり、通期業績がリーマンショック以来、11期ぶりに最終赤字になる見通しというわけです。

新型コロナウイルス感染拡大で、新車販売台数が大幅に落ち込み、サプライチェーン(部品供給網)の問題や生産調整のため、国内外で工場の稼働を停止したことが大きいでしょう。

 

日産自動車の配当金の推移

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日産自動車の配当金は、増配傾向にあります。ここ5年以上増配を続けきました。

しかし、2020年は大幅減配となっています。

2014年:30円

2015年:33円

2016年:42円

2017年:48円

2018年:53円

2019年:57円

2020年:10円(予想)

今年の配当金は、一株あたり10円の予想しています。

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2019年9月に、一株当たり10円の中間配当を実施しました。

2019年度通期の配当は、202020年3月の期末配当の支払いは見送ることなりました。

これにより、2019年度の通期の配当は、一株当たり10円となる見通しです。

日産自動車の配当権利付き最終日は「2020年3月27日、2020年9月28日」です。

 

日産自動車の配当性向は62.5%

配当性向は、1株当たりの利益のうちどれだけの割合を配当金に当てたかを示す指標です。

配当性向は、以下の数式で求められます。

当期純利益÷配当金総額

EPS(1株当たり純利益)÷1株当たり配当金

日産自動車は、当期純利益の62.5%%を配当金として株主に分配する予定ということです。

やや配当過多といえる状況です。

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2014年:34.86%

2015年:32.60%

2016年:36.03%

2017年:30.53%

2018年:29.85%

2019年:75.38%

2020年(予想):62.5%

業績が好調であった2018年までは、配当性向が30%前後と標準的な値でした。

しかし、2019年に配当性向は75%超と一気に跳ね上がりました。

業績が悪化したにもかかわらず配当金は増配を行なったからです。

過度な配当は経営を圧迫します。

2020年はさらなる業績の悪化が見込まれることから、減配に踏み切ったようです。

それでも配当性向は60%を超えており、無理な配当といえます。

 

日産自動車の業績悪化の要因

日産自動車の業界悪化の主な要因は、販売台数が減少していること、つまり日産車が売れなくなってきているということです。

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車が売れなくなると当然、売上高は減少します。大きく販売コストは変わらないため、利益も減少します。

日産は、新型コロナウイルス感染拡大の前から業績は悪化していました。

その要因についてですが、ゴーン元会長時代に無理な拡大戦略を推進して新興国を中心に生産拠点を拡張してきました。

一方で、新型車開発にまで投資が回らず、日米欧の各市場で販売しているモデルが高齢化して販売が低迷してきたのです。

主力市場である米国では、販売不振を補うため、多額の販売奨励金(インセンティブ)を投入したことで収益力が低下しました。

そのせいでブランド力が低下してさらに販売が落ち込み、インセンティブを増やすという悪循環に陥ったのです。

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2019年度第3四半期までの財務実績は次の通りです。

連結売上高は7兆5,070億円、 連結営業利益は543億円となり、売上高営業利益率は0.7%とかなり低い値です。

営業利益が大幅に減少した原因についてご紹介します。

販売活動で会社の想像以上に車が売れなかったことが主な要因です。

その他に為替変動、アメリカや欧州の規制対応及び商品性向上、原材料価格の上昇があります。

 

日産自動車の世界の販売台数

まずは、2019年度第3四半期までの9か月間の販売実績について見ていきます。

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グローバルの全体需要は、中国、ASEAN諸国やインドを含むアジア・オセアニア地域、また南米の一部諸国の減速により、前年比5%減の6,530万台となりました。

日産自動車の販売は、中国で自動車業界全体の需要が大幅減となる中、前年並みの販売台数を維持しました。

しかし、北米と欧州の販売減が響き、369万7,000台、市場占有率は5.7%に留まりました。 次に、主要地域ごとに見てみると、 まず日本では、前年比6.9%減の38万1,000台となりました。

同業他他社が新車攻勢をかける中、日産自動車が販売している車は車齢が高く販売が伸び悩みました。

米国の当社の販売台数は、前年比9.1%減の98万台に留まりました。

車齢の高齢化による相対的な商品力の低下が響き、販売台数は減少しました。

欧州では、環境規制が厳しくなる中、需要がより小型車、及び小型のガソリンエンジンや電動車へシフトしておりますが、小型エンジンへの転換が遅れ、販売に影響しました。

 

日産自動車の今後について

昨年12月に社長に就任した内田誠氏は着任早々、抜本的な経営改革に向けて中期経営計画の見直しに着手しました。

新たな中経営計画のカギとなるのが今年1月に合意したルノー、三菱自との新たな枠組みです。

それは、地域や技術など、分野ごとにリーダーとなる1社が残りの2社を支援するというものだそうです。

例えば、稼働率の低い工場を閉鎖して、生産モデルを同じ市場にあるリーダーの工場に委託するなど、アライアンスで生産効率化を図る戦略のようです。

日産の現行計画では生産能力を削減しても660万台です。

これに対して19年度の世界販売台数は493万台で、70万台近いギャップがあります。

このため、中期経営計画の見直しでは、ルノー、三菱自と協力しながら日産がどこまで踏み込んだ成長戦略を示すことができるかがキーになってきます。

 

まとめ

日産は、今年2月に公表した業績見通しでは、最終利益が650億円の黒字になると予想していましたが、予想から1500億~1600億円悪化する可能性があるとしています。

つまり、通期業績がリーマンショック以来、11期ぶりに最終赤字になる見通しというわけです。

業績の悪化の主な要因は、新型コロナウィルス前からの販売台数の伸び悩みです。さらにコロナショックが拍車をかけました。

新型車開発にまで投資が回らず、日米欧の各市場で販売しているモデルが高齢化して販売が低迷してきており、悪循環に陥っています。

少し前まで配当利回り6%台と高配当銘柄の代表格として、注目を集めていましたが、配当利回り2.81%と配当もかなりボリュームダウンしてしまいました。

今後も業績の悪化が予想されることから、株価は低迷を続けるでしょう。

業績が回復するまでは投資しない方が良いでしょう。

www.nissan-global.com