ファミリーレストラン国内最大手のすかいらーくホールディングス。
主力は『ガスト』ですが、その他にも中華『バーミヤン』や和食『夢庵』など様々な外食チェーンを展開しています。
すかいらーくは、2006年9月にMBO(経営陣による自社買収)で上場廃止になった8年後の2014年10月に再上場をしました?
すかいらーくの魅力は、100株からもらえる株主優待券です。
この株主優待は、ガストやバーミアンといぅたすかいらーくグループで使えるお食事券です。
株主優待と配当金を合わせた配当利回りは、2.89%です。
今回は、そんな株主優待が魅力のすかいらーくホールディングスについてご紹介していきます。
- すかいらーくの株価状況
- すかいらーくの財務状況
- すかいらーくの株価推移
- すかいらーくの事業内容
- すかいらーくの当期利益の推移
- すかいらーくの配当金の推移
- すかいらーくの配当性向の推移
- すかいらーくグループの株主優待
- すかいらーくの新型コロナウィルスの影響
- まとめ
すかいらーくの株価状況
株価(2020/5/15 15:00)
1,650
年初来高値
2,191.0(2020/1/17)
年初来安値
1,350.0(2020/4/6)
最高値(過去10年)
2,244.0(2019/12/4)
最安値(過去10年)
999.0(2014/10/24)
PER:36.76倍
PBR:2.52倍
配当金(会社予想):19円
配当利回り:1.11%(株主優待込み2.89%)
配当性向(会社予想):37.5%
配当権利付き最終日:2020年6月27日、2020年12月27日
自己資本比率:29.3%
利益剰余金:732億円
ROE:7.5%
ROA:2.2%
EPS:50.6円
すかいらーくの財務状況
自己資本比率:29.3%
自己資本比率とは、返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%あるかを示す数値です。
自己資本とは、株主からの出資金と事業活動から得た利益の蓄積を表しています。
自己資本比率は、自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)で算出します。
自己資本比率が小さいほど、他人資本の影響を受けやすい不安定な会社経営を行っていることになり、倒産するリスクが高まります。
一方で自己資本比率が高いほど経営は安定し、倒産しにくい会社となります。
自己資本比率は会社経営の安定性を表す数値であり、高いほどよいのです。
では自己資本比率がどのくらいなら倒産しない会社といえるでしょうか。
一般に自己資本比率が70%以上ならまずつぶれません。
40%以上なら倒産しにくい企業といえます。
すかいらーくの自己資本比率は、29.3%であり高いとはいえない値です。
ROE:7.5%
ROEは、10~20%程度であれば優良企業であると判断されます。
自己資本利益率(ROE:Return on Equity)とは、自己資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の指標です。
自己資本とは、株主からの出資金と事業活動から得た利益の蓄積を表しています。
ROE(自己資本利益率)は、企業が自己資本をいかに効率的に運用して利益を生み出したかを表す指標です。
株主の立場から見ると、自己資本利益率が高い会社は「自分が投資したお金を使って効率よく稼いでいる会社」であると見ることができます。
すかいらーくは、株主から集めたお金と事業活動から得たお金をどれだけ有効活用しているか示すROEが7.5%となっています。
ROEと高いとは言えない値です。
ROA:2.2%
ROAが5%が超えていると優良企業であると判断されます。
ROA(総資産利益率:Return On Assets)とは、総資産に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の収益性の指標です。
純資産(自己資本)、負債(他人資本)を含めた、すべての資本をいかに効率的に運用できているかを表す情報とも言えます。
一般的に、ROAが5%が超えていると優良企業であると判断されます。
ただし、業種によって基準が変わってくるため、ROAを分析する際は同業種の水準と比較することが大切です。
すかいらーくのROAが2.2.%であり、総資産利益率ももう一歩です。
EPS:50.6円
EPS:Earnings Per Share(1株当たり利益)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、1株に対して当期純利益がいくらあるのかを表す指標です。
「1株利益」「1株あたり当期純利益」と呼ばれることもあります。
EPSとは、成長性を見る指標です。EPSの推移を見るようにしましょう。
順調にEPSが増えていれば、成長性のある企業であると言えます。
EPSは、会社の規模にかかわらず1株あたりの当期利益の大きさを表しているため、値が大きいほど良いとされます。
順調にEPSが増えている企業は、安定的に収益をあげ、しかも成長中の企業なので、投資先として検討しましょう。
以下はすかいらーくのEPSの推移を表したグラフです。
2014年:48.8円
2015年:77.8円
2016年:93.6円
2017年:86.4円
2018年:58.0円
2019年:48.1円
2020年(予想):50.6円
すかいらーくのEPSは、2016年から下落傾向にあります。業績は芳しくないですね。
2020年の予想は新型コロナショックの影響を含んでいない値のため、さらなる下落が予想されます。
PER:36.76倍
株価収益率(PER:Price Earnings Ratio)とは、財務分析で企業の成長性を分析するときに利用する指標の一つであり、株価が1株ごとの当期純利益の何倍まで買われているかを表すものです。
PER(倍) = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)
PERが低いほど会社の利益に対して株価が割安であり、高いほど株価は割高だと判断できます。
PERは会社の利益を基準に判断し、PBRは会社の資産を基準に判断されます。
PER15倍以下なら割安と言われています。
現在のすかいらーくのPERは36.76倍でかなりの割高水準です。
PBR:2.52倍
PBR:Price Book-Value Ratio(株価純資産倍率)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、会社の純資産に対して株価が適当な水準であるのかを表す指標です。
PBR(株価純資産倍率)は、1株あたりの純資産に対して、何倍の株価で株が買われているかを表しています。PBRを見れば、会社の資産に対して株価が高いか安いかを判断できます。
PBRの目安は1倍以下です。
一般的な目安として、PBR(株価純資産倍率)が1倍以上なら割高で、1倍を割るようであれば割安であると考えられています。
PBRが1倍ということは、株価とBPS(1株あたり純資産)が等しいということであり、その投資段階で会社が解散した場合、株主には投資額がそのまま戻ってくるということを表しています。
すかいらーくのPBRは、2.52倍となっており割高です。
株価指標の読み方については、以下の記事で解説していますので、是非ご覧ください。
すかいらーくの株価推移
10年チャート
出所)(株)すかいらーくホールディングス【3197】:リアルタイム株価チャート - Yahoo!ファイナンス
1年チャート
出所)(株)すかいらーくホールディングス【3197】:リアルタイム株価チャート - Yahoo!ファイナンス
新型コロナウィルスの影響により株価は、2,000円から1,000円へ約500円も下落しました。
その後はやや反発をみせたものの、現在1600円台で推移しています。
すかいらーくの事業内容
すかいらーくグループは、1970年に1号店をオープンし、以来、日本におけるファミリーレストランの先駆けとして、変化し続けるお客様のニーズにお応えしながら、様々なブランドを開発し、成長を遂げてきました。
主力業態の「ガスト」をはじめ、洋食・中華・和食などの多様なブランドを展開しています。
「ガスト」のようないろいろなジャンルの料理を楽しめる業態から、中華・和食・イタリアンなどの専門店業態、郊外型カフェ業態など多様なブランドを有し、日本全国及び海外で約3,200店舗を展開しております。
すかいらーくの当期利益の推移
当期純利益は、2016年に最高益である、182億円を突破しましたが、その後下落傾向にあります。
2014年:94億円
2015年:151億円
2016年:182億円
2017年:169億円
2018年:114億円
2019年:94億円
2020年(予想):100億円
純利益が2016年から下落傾向にあります。
2020年の予想は、新型コロナウィルスの影響を考慮していないため、純利益の更なる下落が予想されます。
すかいらーくの配当金の推移
すかいらーくの配当金は、2018年から減配傾向にあります。
2014年:13.5円
2015年:33.0円
2016年:38.0円
2017年:38.0円
2018年:38.0円
2019年:19.0円
2020年:19.0円(予想)
今年の配当金は、昨年同様、一株あたり19.0円の予想です。
しかし、新型コロナウィルスの影響で業績の悪化が見込まれていることから、減配の可能性は少なからずあります。
すかいらーくの配当権利付き最終日は「2020年6月27日、2020年12月27日」です。
すかいらーくの配当性向の推移
配当性向は、1株当たりの利益のうちどれだけの割合を配当金に当てたかを示す指標です。
配当性向は、以下の数式で求められます。
当期純利益÷配当金総額
EPS(1株当たり純利益)÷1株当たり配当金
清水建設は、当期純利益の29.7%を配当金として株主に分配する予定ということです。
2014年:27.73%
2015年:32.55%
2016年:38.65%
2017年:49%
2018年:65.31%
2019年:64.4%
2020年:37.5%
すかいらーくの配当性向は、概ね上昇傾向にあると言えます。
2020年は、30%台に落ち着くという予想ですが、業績悪化による純利益の下方修正が見込まれるため、40%以上になる可能性が大いにあります。
すかいらーくグループの株主優待
利用可能店舗一覧
すかいらーくの新型コロナウィルスの影響
すかいらーくホールディングスは、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、店舗の臨時休業や時短営業が響き、業績が低迷しています。
すかいらーくホールディングスは、4月6日に発表した3月の月次動向で、既存店売上高は前年同月比23.9%減となったことを明かしました。
新型コロナウイルスの感染拡大による外出の自粛などで客数が大幅に減ったことが要因です。
3月の既存店客数は前年同月比25.8%減となりました。
イートインの売上高が急減しました。
その一方で、需要増が見込まれる宅配やテークアウトの販売促進強化や注文サイトの改善などを実施したことで、テークアウトの売上高が大幅に伸び、宅配も前年を上回りました。
客単価は前年同月比2.6%増となりました。
ところが、テイクアウトの売上高増よりも遥かにイートインの売上減の影響が大きく、全体で売上高を大きく減少しています。
さらに、4月の既存店売上高は前年同月比で58%減りました。
そこで、すかいらーくホールディングスは、役員報酬の減額を発表しています。「厳しい状況を真摯に受け止め、事業継続を図るうえで必要」と判断したとのことです。
同じ外食チェーンでテイクアウトにより、売上を伸ばしいる社もある中、すかいらーくは厳しい状態にあり、業績悪化が深刻になっています。
まとめ
すかいらーくの魅力は、ガストやバーミアンといぅたすかいらーくグループで使えるお食事券がもらえる株主優待です。
株主優待と配当金を合わせた配当利回りは、2.89%です。
しかし、足もとの業績は決して良いものではありません。
新型コロナウィルスの影響が想像以上に大きいようです。4月の売上高は、前年同月比58%となりました。
更なる業績の悪化が予想され、しばらくは株価も低調に推移するでしょう。
株主優待目当てに購入を検討している方がいらっしゃるかもしれませんが、しばらくは様子見をした方が良いでしょう。