企業研究

   

【コメダHD】収益性が高い優良企業!配当利回り3%超に加え株主優待券ももらえる!

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中京エリアが地盤のコーヒーチェーンを展開するコメダHD。

店舗は95%超がフランチャイズ経営であり、朝食サービスが特徴のコメダ珈琲店が柱の企業です。

海外展開をはじめとした新店舗拡大を加速させていく構えであることから、長期的には増収増益となる可能性が高いといえます。

ドトール・日レスHDやサンマルクHD等の同業他社と比べてROE、ROAが高く、収益性の高い優良企業です

PERも15倍以下と割安水準です。

さらにコメダHDの魅力の一つに配当金と株主優待があります。

コメダHDの配当利回りは3%超と高配当でありながら、さらに株主優待券がもらえます。

配当金と株主優待券を合わせると利回りは、3.8%です。

今回は、そんな優良銘柄であるコメダHDついてご紹介していきます。

 

コメダHDの株価状況

株価(2020/6/2 15:00)

1,908

年初来高値

2,296.0(2020/1/15)

年初来安値

1,316.0(2020/4/6)

最高値(過去10年)

2,400.0(2018/10/9)

最安値(過去10年)

1,316.0(2020/4/6)

 

PER:13.85倍

PBR:2.63倍

配当金:51円

株主優待券:100株で年間2,000円分

配当利回り:3.19%(配当金のみ)、3.80%(配当金+株主優待券)

配当性向:45.6%

配当権利付き最終日:2020年8月27日、2021年2月24日

自己資本比率:33.7%

利益剰余金:181億円

有利子負債:21億円

ROE:16.2%

ROA:5.5%

EPS:74.6円

 

コメダHDの財務状況

自己資本比率:33.7%

自己資本比率とは、返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%あるかを示す数値です。

自己資本とは、株主からの出資金と事業活動から得た利益の蓄積を表しています。

 自己資本比率は、自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)で算出します。

自己資本比率が小さいほど、他人資本の影響を受けやすい不安定な会社経営を行っていることになり、倒産するリスクが高まります。

一方で自己資本比率が高いほど経営は安定し、倒産しにくい会社となります。

自己資本比率は会社経営の安定性を表す数値であり、高いほどよいのです。

では自己資本比率がどのくらいなら倒産しない会社といえるでしょうか。

一般に自己資本比率が70%以上ならまずつぶれません。

40%以上なら倒産しにくい企業といえます。

コメダHDの自己資本比率は、33.7%です。

もう少し自己資本比率を高めたいところです。

 

ROE:16.2%

ROEは、10~20%程度であれば優良企業であると判断されます。

自己資本利益率(ROE:Return on Equity)とは、自己資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の指標です。

自己資本とは、株主からの出資金と事業活動から得た利益の蓄積を表しています。

 ROE(自己資本利益率)は、企業が自己資本をいかに効率的に運用して利益を生み出したかを表す指標です。

株主の立場から見ると、自己資本利益率が高い会社は「自分が投資したお金を使って効率よく稼いでいる会社」であると見ることができます。

旭化成は、株主から集めたお金と事業活動から得たお金をどれだけ有効活用しているか示すROEが16.2%となっています。

収益性はかなり高い値であり優良企業だといえます。

ちなみに同業他社である東レは6.9%、三菱ケミカルは4.6%、帝人は6.4%であり、やや旭化成が高い値です。

 

ROA:5.5%

ROAが5%が超えていると優良企業であると判断されます。

ROA(総資産利益率:Return On Assets)とは、総資産に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の収益性の指標です。

純資産(自己資本)、負債(他人資本)を含めた、すべての資本をいかに効率的に運用できているかを表す情報とも言えます。

一般的に、ROAが5%が超えていると優良企業であると判断されます。

ただし、業種によって基準が変わってくるため、ROAを分析する際は同業種の水準と比較することが大切です。

コメダHDのROAは5.5%であり、ROEと同様高い値です。

ちなみに同業他社である東レは2.8%、三菱ケミカルは1.1%、帝人は2.5%となっておりやや旭化成が高い値です。

 

EPS:117.2円

EPS:Earnings Per Share(1株当たり利益)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、1株に対して当期純利益がいくらあるのかを表す指標です。

「1株利益」「1株あたり当期純利益」と呼ばれることもあります。

EPSとは、成長性を見る指標です。EPSの推移を見るようにしましょう。

順調にEPSが増えていれば、成長性のある企業であると言えます。

EPSは、会社の規模にかかわらず1株あたりの当期利益の大きさを表しているため、値が大きいほど良いとされます。

順調にEPSが増えている企業は、安定的に収益をあげ、しかも成長中の企業なので、投資先として検討しましょう。

以下はコメダHDのEPSの推移を表したグラフです。

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2016年:94.20円

2017年:102.62円

2018年:109.74円

2019年:113.35円

2020年:117.27円

2021年:未定(会社予想)

上場以来、毎年増加しています。

順調に増加しており、成長性のある企業だといえます。

2021年の会社予想は、新型コロナウィルスの先行き不透明感から未定ですが、前年比でマイナスになる可能性が高いでしょう。

 

PER:13.85倍

株価収益率(PER:Price Earnings Ratio)とは、財務分析で企業の成長性を分析するときに利用する指標の一つであり、株価が1株ごとの当期純利益の何倍まで買われているかを表すものです。

 

PER(倍) = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)

 

PERが低いほど会社の利益に対して株価が割安であり、高いほど株価は割高だと判断できます。

PERは会社の利益を基準に判断し、PBRは会社の資産を基準に判断されます。

PER15倍以下なら割安と言われています。

コメダHDのPERは13.85倍であることから、割安水準です。

同業他社である、東レは12.56倍、三菱マテリアルは37.6倍、帝人15.17倍であることから他社と比べても割安です。

 

 

PBR:2.68倍
PBR:Price Book-Value Ratio(株価純資産倍率)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、会社の純資産に対して株価が適当な水準であるのかを表す指標です。

 

PBR(株価純資産倍率)は、1株あたりの純資産に対して、何倍の株価で株が買われているかを表しています。PBRを見れば、会社の資産に対して株価が高いか安いかを判断できます。

 

PBRの目安は1倍以下です。

一般的な目安として、PBR(株価純資産倍率)が1倍以上なら割高で、1倍を割るようであれば割安であると考えられています。

PBRが1倍ということは、株価とBPS(1株あたり純資産)が等しいということであり、その投資段階で会社が解散した場合、株主には投資額がそのまま戻ってくるということを表しています。

コメダHDのPBRは、2.68倍となっており割安とは言い難い値です。

ちなみに同業他社である東レは0.78倍、三菱マテリアルは0.64倍、帝人は0.88倍であり他社と同水準です。

 株価指標の読み方については、以下の記事で解説していますので、是非ご覧ください。

toshilife.hatenablog.jp

 

コメダHDの株価推移

10年チャート

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出所)(株)コメダホールディングス【3543】:リアルタイム株価チャート - Yahoo!ファイナンス

 

1年チャート

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出所)(株)コメダホールディングス【3543】:リアルタイム株価チャート - Yahoo!ファイナンス

コメダHDの株価は、2016年に上場してから横ばいか緩やかに上昇してきました。

ところが、2020年2月頃から大幅に下落しています。

新型コロナウィルスの影響により800円近く下落し上場来安値である、1,316円をつけました。

その後、やや反発しており、現在は1,900円台で推移しています。

 

コメダHDの事業内容

当社グループの事業の概要

 当社は、店舗数・売上高に関して日本最大級のフルサービス型喫茶店チェーン運営会社である株式会社コメダの持株会社であります。当社グループは、「私たちは"珈琲を大切にする心から"を通してお客様に"くつろぐ、いちばんいいところ"を提供します」を経営理念に掲げ、お客様のくつろぎにこだわった店づくり・独自製法と材料にこだわった自社製造商品・独自のFC運営システム等の強みにより、外食市場における独自のポジションを確立し、FC加盟店を中心に全国でフルサービス型の喫茶店※のチェーン展開を行っております。

※「フルサービス型の喫茶店」:店舗店員がお客様に対して席への案内、お水・おしぼりの提供、ご注文の伺い、ご注文された商品の提供を行う喫茶店

当社グループの事業内容

 当社グループは当社と連結子会社3社で構成されており、連結子会社の株式会社コメダにて「珈琲所 コメダ珈琲店」(873店)、「甘味喫茶 おかげ庵」(11店)、コメダ謹製「やわらかシロコッペ」(10店)、「コメダスタンド」(1店)、石窯パン工房ADEMOK(1店)の5つのブランドで事業を展開しております。(2020年2月末時点)

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主力ブランドである「珈琲所 コメダ珈琲店」では4つのこだわりをもって事業を運営しております。

くつろぎへのこだわり

  • 高い仕切りのボックス席でプライベート感を確保 高い天井・開放的な空間

 誰もがくつろげる「街のリビング・ルーム」でありたいと考えており、お客様のくつろぎを最優先とした店づくりをしています。明るく開放感のある空間、ゆったりとした客席、自然であたたかみのあるサービス、多数の新聞、雑誌などコメダの空間には、お客様のくつろぎのための様々な工夫が詰まっています。

コーヒーへのこだわり

  • 独自の「ダブルフィルター方式」を採用し、ゆっくり時間をかけながら抽出

 世界の産地から厳選された豆は独自の焙煎・抽出によりコメダオリジナルブレンドになります。
 全国にまたがる配送網により、全国どこのコメダ珈琲店にも毎日変わらずおいしいコーヒーをお届けしております。日本国中、同じおいしさのコメダオリジナルブレンドはブラックでは深みがあり、高乳脂のフレッシュと砂糖を加えることで、さらにバランスが良く飲みやすくなります。厚手のカップは、口当たりの良さと時間経過による温度低下を避けるために設計されたオリジナルです。すべてお客様の「くつろぎ」のお供にコーヒーを楽しんでいただくためのこだわりです。

おいしさへのこだわり

  • シロノワールのデニッシュは風味にこだわったオリジナルの油脂を生地に練り込み、職人が丁寧に64層にまで折りたたんでいます 自社製のパン

 コメダのパンは自社製造です。材料の品質にこだわり、独自製法で手間ひまをかけて丁寧に作っています。お店では、親しみやすいメニューをひと手間かけて提供しています。

サービスへのこだわり

  • 家庭のリビングのような空間を作り、お客様の「長居」を歓迎 読み放題の各種雑誌・新聞の提供

 お客様が扉を開けてお店にご来店されてからお会計を済ませてご退店されるまで、おもてなしの気持ちを込めて接客させていただくのが、コメダのフルサービスです。お客様にくつろぎの時間をお楽しみいただくため、自然であたたかみのある接客に努めています。

 出所)株式会社コメダホールディングス

 

コメダHDの当期利益の推移

当期純利益は、毎年増加をしています。

直近2018年3月期に最高値を更新しました。

2016年:41億円

2017年:45億円

2018年:49億円

2019年:51億円

2020年:53億円

2021年:未定(会社予想)

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2016年に上場して以来、毎年増益を続けており、過去最高益を更新し続けています。

業績好調である成長企業だといえます。

しかし、新型コロナウィルスの影響により足元の業績を悪化する見込みです。

2021年の会社予想は、新型コロナウィルスの先行き不透明感から未定とのことです。

 

コメダHDの配当金の推移

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コメダHDの配当金は、増加傾向にあります。

2017年:50円

2018年:50円

2019年:50円

2020年:51円

2021年:未定(会社予想)

上場来、減配することなく、前年の水準と同様もしくは増配を行なっています。

2020年の配当金は51円となり、配当利回りは3.19%と高配当です。

2021年の配当予想は未定となっています。

コメダHDの配当権利付き最終日は「2020年8月27日、2021年2月24日」です。

 

コメダHDの配当性向の推移

配当性向は、1株当たりの利益のうちどれだけの割合を配当金に当てたかを示す指標です。

配当性向は、以下の数式で求められます。

当期純利益÷配当金総額

EPS(1株当たり純利益)÷1株当たり配当金

2020年、コメダHDは、当期純利益の43.5%を配当金として株主に分配する予定です。

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2017年:48.7%

2018年:45.6%

2019年:44.1%

2020年:43.5%

2021年:未定(会社予想)

コメダHDの配当性向は、50%以下で推移してきました。

配当性向50%以下は決して高すぎる値ではありません。配当金の支払いにはまだ余裕がありそうです。

過度な配当金を行なっている様子はありません。

コメダHDは配当性向が高くないことから、企業が稼いだお金を設備投資や研究開発に使い、将来への投資を行なっています。

 

コメダHDの株主優待

コメダHDの株主優待は、年2回(権利月:2月・8月)もらえます。

2月および8月の権利付き最終日までに株式を購入する必要があり、 2019年2月の権利付き最終日は2020年8月27日、2021年2月24日です。

対象株主

毎年2月末日(年度期末)および8月末日(中間期末)現在の株主名簿に記載された1単元(100株)以上の株式を保有される株主様(1名義ごと)

優待品

全国のコメダ珈琲店およびおかげ庵で利用できる株主優待電子マネー1,000円分
継続株主様のKOMECA
新規株主様のKOMECA

半期で1,000円、年間で2,000円の電子マネーを贈呈します。

※継続株主様には、6月1日に自動でチャージを実施いたします。新規株主様(今回の優待用
KOMECAを受け取られる方)には、5月中旬に空のカードを送付し、6月1日に自動でチャージを実施いたします。

※現状、所有株式数が増えても上記内容から変更はございません。(1単元以上一律で贈呈)

※一部ご利用いただけない店舗がございます。

<お近くのKOMECA利用可能店舗の検索>
http://www.komeda.co.jp/search/index.html

贈呈時期および方法

期末優待
毎年6月1日に株主優待電子マネーがチャージされます。
(新規株主様には5月中旬にKOMECAが送付されます。)
中間優待
毎年12月1日に株主優待電子マネーがチャージされます。
(新規株主様には11月下旬にKOMECAが送付されます。)

有効期限(ご利用期間)

期末優待
毎年6月1日~翌年5月末日(1年間)
中間優待
毎年12月1日~翌年11月末日(1年間)
出所)
株主優待 | 株式について | IR情報 | 株式会社コメダホールディングス

 

コメダHDの業績と今後について

コメダHDが4月10日発表した2020年2月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前期比5%増の53億円でした。

出店拡大でフランチャイズチェーン(FC)店向けの商材販売が伸びたようです。

売上高は3%増の312億円と過去最高でした。

新規出店に加え、季節限定メニューでは高級チョコブランド「ゴディバ」と共同開発したチョコレートソフトクリームが好調でした。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響が見積もれないとして21年2月期の業績見通しは公表していません。

コメダHDは海外展開を積極的に行っています。

1000店舗体制に向けて主力の「コメダ珈琲店」や新業態の甘味喫茶「おかげ庵」の出店を進めています。

台湾では2022年に50店を目標に進出を加速させています。

一方で新型コロナウィルスの影響は鮮明に現れています。

4月30日、メインバンクの三菱UFJ銀行をはじめ計3行から総額100億円を借り入れました。

無担保、固定金利で期間は1年とのことです。

これはコメダHDの1年間の売上高のうち3分の1を占める金額です。

3カ月の間、売上がゼロだとしてもこの融資で補填できる計算です。

コメダは新型コロナウイルスの感染拡大で愛知を含む13都道府県で時短営業していました。

2020年2月期末の自己資本比率は33.7%で財務は比較的堅実ですが、業績の下振れに備えて手元資金を厚くする狙いです。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、一部店舗で時短営業を実施しており、客足が落ちています。

そのため、今期は業績予想を公表していませんが、減収減益の見通しです。

短期的には業績の悪化が予想されますが、今後も国内外への店舗拡大が見込まれることから、長期的には業績が改善していくことが予想されます。

 

まとめ

コメダHDは、新型コロナウィルスの影響により直近では減益が予想されます。

しかし、またまた成長余力がある企業であり、新店舗拡大を加速させていく構えであることから、長期的には増収増益となる可能性が高いといえます。

ドトール・日レスHDやサンマルクHD等の同業他社と比べてROE、ROAが高く、収益性の高い優良企業です。

現在はPERが15倍以下と割安水準であるため、株価の上昇が期待できます。

さらにコメダHDの魅力の一つに配当金と株主優待があります。

コメダHDの配当利回りは3%超と高配当でありながら、さらに株主優待券がもらえます。

配当金と株主優待券を合わせると利回りは、3.8%です。

直近の業績は悪化が見込まれますが、長期的には見れば上向く可能性が高く、株価が安いうちに買いを検討したい銘柄です。

www.komeda-holdings.co.jp