
2日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、終値は前日比647円(1%)安の6万8,309円で取引を終えました。
1日までの2日間で3,500円近く上伸していたことから利益確定売りが出やすかったほか、米国をはじめとする世界的な金利高への警戒感が強く、市場では本格的なリスクオン姿勢をとりにくい展開となっています。
米10年債利回りが約24年ぶり高水準、日本株の重荷に
1日の米債券市場では、米10年物国債利回りが一時5.34%と、2002年以来およそ24年ぶりの高水準を記録しました。
日経平均は1日に約1ヶ月半ぶりの高値を付けたものの、世界的な金利上昇基調に対する市場の警戒感は払拭し切れていません。
市場関係者からは、上値の重さや今後の動向について次のような見解が出ています。
-
SMBC信託銀行・山口真弘投資調査部長
「1日の株価上昇は行き過ぎの印象があった。期初で投資家の買いが向かいやすかった面はあるが、米金利高懸念が残る中では全面的なリスクオンになりにくい」
-
岩井コスモ証券・嶋田和昭チーフストラテジスト
「日経平均が7万円台を回復するには金利の低下が必要。節目の11月米中間選挙にかけて膠着感が続く可能性がある」
物色動向:AI・半導体関連に迷い、バリュー株への買い広がりも限定的
相場全体を牽引してきたAI・半導体関連株では、銘柄ごとの選別色が強まっています。
-
下落銘柄:前日に大きく買われていたソフトバンクグループ(6%安)や東京エレクトロン(4%安)が軟調となり、この2銘柄だけで日経平均を550円超押し下げました。
-
逆行高銘柄:アドバンテストが年初来高値を更新したほか、フジクラも堅調に推移するなど、資金の循環が見られます。
また、金利高局面においてもトヨタ自動車やホンダが2%安で引けるなど、自動車をはじめとするバリュー(割安)株への物色にはつながっていません。
りそなホールディングスの武居大暉ストラテジストは「投資家の楽観姿勢が強まっているからこそ、業績改善期待が見込みにくい業種を中心に売りが出ている」と指摘しています。
今後の展望:海外勢の買い意欲と押し目買いの好機
足元では足踏み感が漂うものの、日本株に対する海外投資家の意欲が減退しているわけではありません。
日本取引所グループ(JPX)の投資部門別売買動向によると、9月中旬以降は海外投資家による先物買いが目立っており、投機的な資金が戻りつつあります。
今後の相場シナリオとして、以下のポジティブな見解も浮上しています。
-
PER低下による割安感(三菱UFJモルガン・スタンレー証券・大西耕平氏)
日本株の予想PER(株価収益率)は夏場から低下傾向にあり、「膠着が続く足元の相場こそが格好の買い場になりやすい」と分析しています。
-
10月の上値追いに期待(BofA証券・圷正嗣氏)
「主要中銀のイベント通過や9月のポジション調整完了を経て、投資家のリスク許容度は高まっている」と指摘。FRBの初回利上げ局面に売られやすい「高ベータ株(市場連動性の高い銘柄)」は、利上げ実施後に再び買われる傾向があるため、今後はAI株を中心に買い戻しの局面を迎える可能性があるとみています。