
日本株は当面、高値圏でのもみ合いが想定されます。20日に米連邦最高裁が、トランプ米大統領が課した相互関税について「違憲」と判断したことで、短期的には市場心理の改善につながりました。
ただ、すでに徴収された関税の還付を巡る影響は不透明で、企業業績への影響が明らかになるには時間を要しそうです。
市場の関心は、25日に発表されるエヌビディアの決算に向かっています。
一方で、イランを巡る地政学リスクが意識されており、日本株の上値を抑える要因となりそうです。
米最高裁判決は好材料も、不透明感は残る
米最高裁は20日、相互関税などを課す権限は大統領にはないとの判断を示しました。
これを受け、トランプ氏は別の法的根拠を用いて24日から10%の関税を課し、その後15%に引き上げると発表しています。
政策の先行きはなお不透明です。
大阪取引所の夜間取引では日経平均先物が上昇し、3月物は前日の清算値比290円高の5万7130円で取引を終えました。
ただ、市場では不確定要素が多く、積極的に上値を追う展開にはなりにくいとの見方が多く聞かれます。
エヌビディア決算が最大の焦点
25日のエヌビディア決算(2025年11月〜2026年1月期)は、日本株市場にとっても重要なイベントです。
直近5四半期では、決算発表翌日に日経平均が上昇したケースが4回あり、AI関連株への影響力は依然として大きいといえます。
岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは、「AI相場をけん引してきた力はやや低下しているものの、市場予想を上回る業績見通しが示されれば、半導体製造装置や材料など日本の関連銘柄には追い風になる」と指摘しています。
同日にはセールスフォース*の決算も予定されています。
同社株はAIによる業務代替への懸念から調整が続いており、日本のソフトウエア関連株にも慎重姿勢が広がっています。
ただ、株価下落が進んでいる分、堅調な業績が示されれば押し目買いが入りやすい局面ともいえます。
イラン情勢が短期的な重荷に
足元では、米国とイランの関係悪化を背景とした地政学リスクが株価の重荷となりそうです。
原油価格の上昇や投資家のリスク回避姿勢が強まれば、日本株は調整圧力を受ける可能性があります。
松本氏は「中東情勢の緊迫化は短期的な売り材料にとどまる可能性が高い。火種が地域全体に広がらなければ、中長期の売り要因にはなりにくい」とみています。
国内金利は低下が一服、円相場は介入警戒が下支え
国内債券市場では、長期金利の低下余地は限られつつあります。
衆院選後に続いてきた金利低下が一巡し、債券買いの動きは一服するとの見方が出ています。
円安の進行を背景に、日本銀行の早期利上げ観測が意識される場面もあります。
為替市場では、円安の進行は一服する公算が大きいとみられています。
1ドル=155円前後では、政府・日銀による為替介入への警戒感が強く、円売りが一段と進む展開は想定しにくい状況です。
原油は地政学リスク次第、金は調整局面
原油相場は引き続き、イラン情勢を意識した神経質な展開が見込まれます。
米国が軍事行動に踏み切るとの見方が強まれば、供給不安から原油価格が上昇する可能性があります。
一方、金(ゴールド)相場は、米経済指標の堅調さを背景に利下げ観測が後退しており、調整局面が続きそうです。
ただし、地政学リスクが再燃すれば、安全資産として再評価される余地もあります。