
2026年1〜3月の金融市場は、米政権の外交・安全保障政策と金融政策を巡る思惑に大きく揺さぶられる展開となりました。
投資家心理が不安定化するなか、これまで世界の株式市場をけん引してきた人工知能(AI)関連株にも変調の兆しがみられています。
- 【株式市場】ハイテク株主導の調整、ナスダックは1割安
- 【投資家心理】著名投資家も慎重姿勢、「まだ買い場ではない」
- 【時価総額】世界で12兆ドル消失、資産価格の調整が鮮明に
- 【AI株】マグニフィセント7に陰り、利益確定売りが加速
- 【構造変化】原油高がAI投資に打撃、電力コストが重荷に
- 【セクター動向】エネルギー株が相対的優位も「安全資産」は不在
- 【資金フロー】株式ファンドから資金流出、リスク回避が加速
- 【市場見通し】ボラティリティ高止まり、底入れには時間も
- 【投資戦略】分散と機動性が鍵、不確実性の高い相場に対応
【株式市場】ハイテク株主導の調整、ナスダックは1割安
株式市場は四半期を通じて断続的な下落圧力にさらされました。
1月下旬にはFRB人事を巡る観測から金融引き締めへの警戒感が高まり、ハイテク株が調整しました。
さらに2月下旬には中東情勢の緊迫化が追い打ちとなり、米ナスダック総合株価指数は3月末までに1月高値から約1割下落しました。
【投資家心理】著名投資家も慎重姿勢、「まだ買い場ではない」
市場心理の悪化は著名投資家の発言にも表れています。
ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏は、株式・債券ともに割安感は乏しいと指摘し、積極的な投資には慎重な姿勢を示しています。
市場全体としてリスク選好は明らかに低下しています。
【時価総額】世界で12兆ドル消失、資産価格の調整が鮮明に
世界の上場企業の時価総額は3月に約141兆ドルとなり、月間で約12兆ドルが減少しました。
年初来でも数兆ドル規模の減少となっており、グローバルで資産価格の調整が進んでいます。
【AI株】マグニフィセント7に陰り、利益確定売りが加速
これまで市場をけん引してきた「マグニフィセント7(M7)」の時価総額は大きく減少しました。
AI関連株は過去1年で大幅に上昇していたため、投資家のリスク回避姿勢が強まるなかで利益確定売りが広がりました。
【構造変化】原油高がAI投資に打撃、電力コストが重荷に
中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇は、AI分野にも影響を及ぼしています。
AIは大量の電力を必要とするため、電力コストの上昇はデータセンター投資の採算性を悪化させます。
これまでの過剰投資懸念に加え、収益性への不透明感が強まっています。
【セクター動向】エネルギー株が相対的優位も「安全資産」は不在
原油高の恩恵を受け、石油関連企業の株価は上昇しました。
一方で、ディフェンシブとされる生活必需品セクターでもコスト増の影響が懸念されており、市場全体として明確な逃避先は限られています。
【資金フロー】株式ファンドから資金流出、リスク回避が加速
3月下旬には先進国株ファンドから大規模な資金流出が確認されました。
投資家がリスク資産から資金を引き揚げる動きが鮮明となり、市場の下押し圧力となっています。
【市場見通し】ボラティリティ高止まり、底入れには時間も
足元の市場は停戦交渉などのニュースに敏感に反応し、乱高下が続いています。
一部では本格的な底入れにはセリングクライマックスが必要との見方もあり、調整局面が続く可能性があります。
【投資戦略】分散と機動性が鍵、不確実性の高い相場に対応
このような環境下では、特定テーマへの集中投資はリスクが高まります。
分散投資を基本としつつ、市場環境の変化に応じて機動的にポートフォリオを見直す姿勢が重要です。
4月以降も地政学リスク次第で相場は大きく振れる可能性があり、冷静なリスク管理が求められます。