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【イラン情勢で株安・原油高が加速】AI株バブルは崩れるのか

米国とイスラエルによるイラン攻撃から1週間が経過し、世界の金融市場では「有事モード」が鮮明になっています。

株式を中心に多くの金融資産が下落する一方、原油やドルなど一部資産には資金が流入しました。

地政学リスクの高まりが投資家心理を冷やし、インフレや景気減速への警戒感が市場全体に広がっています。

原油が急騰、供給不安が市場を揺らす

今回の金融市場の動きを象徴するのが原油価格の急騰です。米原油先物市場の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近物は、3月6日に1バレル90ドルを突破しました。

週間の上昇率は36%と過去最高を記録し、市場に大きな衝撃を与えています。

背景にあるのは、中東地域のエネルギー供給への懸念です。

イラン革命防衛隊は、世界の石油消費量の約2割が通過するホルムズ海峡の封鎖を宣言しました。

さらに湾岸諸国のエネルギー輸出が停止する可能性も指摘されており、原油価格が150ドルに到達するとの見方まで浮上しています。

米国のトランプ大統領がイランに対し「無条件降伏以外あり得ない」と強硬姿勢を示したことで、軍事衝突の長期化を警戒する声も強まりました。

これらの要因が重なり、原油市場では供給不安を背景とした買いが膨らんでいます。

日本・韓国株は大幅調整 AI相場の反動も

株式市場ではリスク回避の動きが広がり、特にアジア株の下げが目立ちました。

韓国総合株価指数(KOSPI)は1週間で11%下落し、2020年3月以来の大きな下げ幅となりました。

日本の日経平均株価も5%下落し、米国の相互関税発表で急落した2025年4月以来の大幅安となりました。

日本や韓国株が大きく売られた理由は主に2つあります。

1つ目は、原油の中東依存度の高さです。

日本は原油輸入の約9割、韓国は約7割を中東に依存しています。

原油価格の上昇はエネルギーコストの増加を通じて企業収益や景気を圧迫するため、株式市場には強い逆風となります。

2つ目は、年初からの急激な株価上昇です。

AI関連銘柄が相場をけん引し、2025年末からの2カ月でKOSPIは約48%、日経平均は17%も上昇していました。

期待が膨らんでいた分、リスク回避局面では利益確定売りが膨らみやすい状況だったといえます。

韓国市場では半導体大手のサムスン電子やSKハイニックスが指数の時価総額の約4割を占めており、AI向け半導体需要への期待で株価が急騰していました。

日本でもフジクラやアドバンテストなどのAI関連銘柄に資金が集中しており、過熱感が指摘されていました。

実際、日経平均構成銘柄の予想PERは2月末に21倍近くまで上昇し、米S&P500に迫る水準となっていました。こうした割高感が調整の引き金となった面もあります。

スタグフレーション懸念が浮上

原油価格の上昇が続けば、世界経済にとって大きなリスクとなります。

エネルギー価格の高騰は企業コストを押し上げる一方で、消費を冷やし景気を減速させる可能性があるためです。

特に警戒されているのが、低成長と高インフレが同時に進む「スタグフレーション」です。

液化天然ガス(LNG)価格も上昇しており、エネルギー高が世界経済全体の重荷になるとの見方が広がっています。

こうした懸念を背景に、MSCI欧州株指数も週間で7%下落しました。

インフレが再び強まれば、各国の中央銀行は利下げを進めにくくなり、金融緩和を期待していた市場のシナリオが崩れる可能性もあります。

有事のドル買いは健在

一方、地政学リスクが高まる局面で強さを見せたのが米ドルです。

主要通貨に対するドルの強さを示すドル指数は1週間で1.4%上昇し、約3カ月ぶりの高値を付けました。

世界最大の軍事力と基軸通貨を持つ米国には、有事の際に資金が集まりやすいという特徴があります。

円や英ポンド、スイスフランは対ドルで約1%下落し、ユーロは約2%下落しました。

2022年にロシアがウクライナへ侵攻した際にも、最初の1週間は米ドルや米国株が他の資産より相対的に強い動きを見せました。

今回の局面でも同様の構図が見られています。

金は下落、ビットコインは反発

安全資産として知られる金は、意外にも下落しました。

国際価格は週間で約2%下げています。地政学リスクが高まると金は通常買われますが、急激な相場変動の中では株式などで生じた損失を補うための換金売りが出やすいという側面があります。

一方で、暗号資産のビットコインは上昇しました。

年初から大きく下げていたこともあり、先物市場などで売りポジションを取っていた投資家の買い戻しが相場を押し上げたとみられます。

投資家は「インフレ再燃」を警戒

今回の市場変動が示しているのは、地政学リスクが金融市場の構図を大きく変える可能性です。原油高が長期化すれば、インフレ再燃と金融政策の引き締まりが同時に意識されることになります。

これまで世界の株式市場はAI関連銘柄を中心に強い上昇トレンドを描いてきました。しかし、エネルギー価格の高騰と地政学リスクが重なれば、相場の流れが変わる可能性もあります。

投資家にとっては、短期的な値動きに振り回されるのではなく、原油価格やインフレ動向、金融政策の方向性を冷静に見極めることが重要な局面になりつつあります。