
今週の日本株市場は、上値の重い展開が想定されます。
日経平均株価は安値圏で一進一退となる可能性が高く、特に高値局面では戻り待ちの売りが出やすい地合いです。
背景には、中東情勢の不透明感と、それに伴う原油高・金利上昇圧力があります。
- 中東情勢が相場の主導要因に
- 決算シーズン入り、企業の見通しに注目
- 米CPIがグローバル相場の分岐点に
- 債券市場:インフレ警戒で金利上昇圧力
- 為替市場:円安圧力と介入警戒の綱引き
- 原油市場:120ドル視野のボラティリティ相場
- 投資戦略:短期は「戻り売り」、選別色を強める局面
中東情勢が相場の主導要因に
最大の焦点はイランを巡る地政学リスクです。
ドナルド・トランプ大統領が軍事行動の継続を示唆したことで、早期停戦期待は後退しました。
戦闘長期化への警戒が強まる中、投資家心理は不安定な状態が続いています。
市場では日経平均の想定レンジとして5万〜5万5000円が意識されており、悪材料には敏感に反応する一方で、好材料が出ても上昇の持続力は限定的との見方が優勢です。
特に原油供給の要衝であるホルムズ海峡の動向は引き続き注視が必要で、仮に通航が再開されても供給正常化には時間を要する可能性があります。
決算シーズン入り、企業の見通しに注目
週後半からは2月期決算が本格化します。主な注目企業は以下の通りです。
- セブン&アイ・ホールディングス
- ファーストリテイリング
- 竹内製作所
- 安川電機
市場の関心は、原油高や地政学リスクが2026年度の業績見通しにどの程度織り込まれるかにあります。
企業側の慎重なガイダンスが相次げば、株価の上値を抑える要因となるでしょう。
米CPIがグローバル相場の分岐点に
10日に発表される米消費者物価指数(CPI)は、今週最大のイベントです。
原油高によるインフレ圧力が確認されれば、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が再燃し、「株安・債券安」の同時進行が再び意識される展開も想定されます。
債券市場:インフレ警戒で金利上昇圧力
国内債券市場では、長期金利の上昇圧力が続いています。
新発10年債利回りは一時2.39%台と、約27年ぶりの高水準に達しました。
原油高によるインフレ懸念に加え、日銀の金融政策正常化観測も背景にあります。
4月の金融政策決定会合での利上げ確率は市場で約7割織り込まれており、金利の上昇基調は当面続く可能性があります。
また、国債入札の不調が続けば需給面からも金利上昇要因となり、株式市場にとってはバリュエーションの重しとなります。
為替市場:円安圧力と介入警戒の綱引き
為替市場では、円安圧力と為替介入警戒がせめぎ合う構図です。足元では一時1ドル=160円台まで円安が進行しました。
- 原油高 → 貿易赤字拡大 → 円売り圧力
- 有事のドル買い → さらなる円安要因
一方で、政府・日銀による介入警戒が強く、急速な円安進行は抑制されやすい状況です。
片山さつき財務相の発言からも、160円超では介入の現実味が高まるとみられています。
原油市場:120ドル視野のボラティリティ相場
原油価格は中東情勢に大きく左右される展開が続いています。
指標であるWTI原油先物はすでに110ドル台に乗せており、戦闘激化の場合は120ドル台も視野に入ります。
供給制約が長期化すれば、
- インフレ加速
- 中央銀行の引き締め長期化
- 株式市場のバリュエーション圧迫
といった負の連鎖が意識されやすくなります。
投資戦略:短期は「戻り売り」、選別色を強める局面
足元の市場環境を踏まえると、短期的な投資戦略は以下の通りです。
- 高値追いはリスクが高く、戻り売りスタンスが優位
- 原油高耐性のある銘柄や内需ディフェンシブに資金シフト
- 決算内容を精査した個別株選別が重要
地政学リスクとインフレ圧力が同時に意識される局面では、指数全体の上昇余地は限定されやすくなります。当面はボラティリティの高い相場を前提に、機動的なポジション管理が求められそうです。