
インド株が堅調に推移しています。
主要株価指数SENSEXは27日、前日比0.52%高の8万6055.86まで上昇し、昨年9月に付けた最高値を更新しました。
インド中央銀行による利下げを含む緩和的な金融政策、政府の規制改革、米国市場の反発などが複合的に作用し、インド株の上昇基調を強めています。
さらに、トランプ政権が導入した50%の高関税が、逆にインドの経済改革を加速させているとの見方も広がっています。
- 企業収益の回復期待で強気判断が相次ぐ
- 低インフレと利下げが投資環境を改善
- 消費刺激策と労働市場改革が中長期の成長を後押し
- 国内投資家が市場を支え、海外資金の復帰にも期待
- まとめ:インド株は「政策+企業業績」で上昇トレンドが持続へ
企業収益の回復期待で強気判断が相次ぐ
米モルガン・スタンレーは
「2025年のインド株は過去31年で最も弱いパフォーマンスだったが、2026年に反転する」
と指摘しています。
同社は17日、SENSEXの2026年12月の目標株価を9万5000とし、現在の最高値を約1割上回る水準を提示しました。
背景には企業収益の回復があります。
同社の予測ではSENSEX構成銘柄のEPSは、
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2025年度:前年度比+7%
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2026年度:+17.6%
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2027年度:+19.5%
と加速する見通しです。
米ゴールドマン・サックスもインド株を「オーバーウエート」に引き上げ、MSCIインド構成銘柄の利益成長率を
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2025年:+10%
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2026年:+14%
と予想しています。
低インフレと利下げが投資環境を改善
インド準備銀行(RBI)の金融政策が市場の追い風となっています。
金利引き下げで企業投資の余地が拡大
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2月、5年ぶりの利下げを実施
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6月までに計1%引き下げ、政策金利は5.5%
10月の消費者物価指数(CPI)は前年比**+0.25%**と過去最低の水準となり、市場では「12月会合で追加利下げの可能性が高い」という声が増えています。
銀行セクター向け改革も進展
10月には銀行部門の競争力向上に向けた規制緩和が示されました。
企業による買収への融資が行いやすくなる枠組みの整備など、リスクテイクを促す政策が進んでいます。
その効果もあり、BSE銀行株指数は年初来で16%上昇と、SENSEXの上昇率(10%)を上回っています。
消費刺激策と労働市場改革が中長期の成長を後押し
9月には物品サービス税(GST)が引き下げられ、インドGDPの6割を占める個人消費を支える効果が期待されています。
これにより企業収益にも好影響が及ぶ見通しです。
また、21日には改正労働法が施行されました。ギグワーカーにも社会保障を適用するなど労働者保護を強化する一方で、企業が人員を調整しやすくなる仕組みも盛り込まれています。
野村のソナル・バルマ氏は、
「インドでのビジネス環境が改善し、外国直接投資(FDI)の誘致につながる可能性が高い」
と述べています。また、トランプ政権の高関税がインド国内の大規模改革を後押ししているとも指摘しています。
国内投資家が市場を支え、海外資金の復帰にも期待
海外投資家は今年(2025年)に入り、約2兆1400億ルピーを売り越しています。しかし、その売りを国内投資家が吸収する構図が続いています。
モルガン・スタンレーのデサイ氏は、
「新興国の中で割高だとみられていたインド株のバリュエーションは急速に正常化している」
と話しており、米国との貿易協議が進展し高関税が引き下げられれば、海外資金の流入が再び強まる可能性があります。
まとめ:インド株は「政策+企業業績」で上昇トレンドが持続へ
SENSEXの最高値更新は、短期的な材料にとどまらず、
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金融緩和と低インフレ
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政府・中央銀行による改革加速
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企業収益の明確な回復トレンド
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海外資金の再流入余地
といった複数の構造的な追い風がそろった結果といえます。
企業利益が2026〜27年にかけて力強く伸びる見通しであることを踏まえると、
インド株には引き続き上昇余地があるとの見方が市場で優勢となっています。