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関税政策でインド株はどうなるのか?

米国のトランプ大統領が、関税強化を打ち出し、インド株への影響が注目されています。

特に、世界経済の成長エンジンとされるインド株式市場に対して、米国関税政策がどのような波及効果をもたらすのか、投資家の関心は高まっています。

今回は、アメリカの関税政策がインド株に与える影響について考えていきます。

アメリカはインドに追加関税

米政府は8月27日、ロシア制裁の一環として同国産原油を購入しているインドに対する25%の追加関税を発動しました。

8月7日に発動した25%の相互関税に上乗せされるため、税率はブラジルと並ぶ最高水準の累計50%となった形です。

トランプ米大統領は8月6日にインドへの追加関税を命じる大統領令に署名しました。

国際緊急経済権限法(IEEPA)などに基づきロシア産原油の買い手に高関税を課し、間接的にロシアに停戦に向けた圧力をかけています。

トランプ氏はこの手法を2次関税と呼んでいるます。

ベッセント米財務長官は、8月19日の米CNBCのインタビューで、インドがロシア産の安い原油を仕入れて第三国に転売することで「暴利を得ている」と批判していました。

欧州の調査会社ケプラーによると、ロシアによるウクライナ侵略以降インドはロシアからの原油調達を急増させていました。

ベッセント氏は安く仕入れた原油の転売でインドが「160億ドル(2.3兆円)の超過利潤を得た」とみています。

米印の貿易協議は一時、日本や欧州連合(EU)より進んでいるとみられていましたが、7月下旬にインド側が交渉団を引きあげて以降は交渉が停滞しています。

インドとの交渉を担当する米通商代表部(USTR)は、短期間で譲歩を引き出すのは難しいとしています。

 

インドは中国に接近。アメリカはつなぎ止めたい

米国からの高関税に直面するインドやブラジルは、中国に接近し始めています。

インドのモディ首相は8月31日に中国・天津で開幕する上海協力機構(SCO)首脳会議に出席し、7年ぶりの訪中となりました。

モディ氏は6月にカナダで開いた主要7カ国首脳会議(G7サミット)にも出席しましたが、中東情勢対応のためサミットを切り上げて帰国したトランプ氏とは会えずじまいだったでした。

米国は追加関税発動後もインドとの関係を重視し、経済・軍事両面で結びつきを強めてつなぎとめを狙っています。

米国関税のインド株への影響

輸出依存度とセクター別影響

インド経済全体を見ると、米国向け輸出はGDP比で10%前後にとどまりますが、ITサービスや繊維産業といった特定の分野は米国依存度が高いのが現実です。

米国が関税を強化すれば、ソフトウェア・アウトソーシング大手や繊維メーカーは収益圧迫を受けることになります。

特にナスダックに上場するインドIT企業の株価は、米国企業のIT投資抑制リスクを先取りして下落圧力が強まります。

投資資金の流れと為替リスク

もう一つの影響は「資金フロー」と「為替」です。

米国が保護主義色を強めると、ドル高が進行しやすくなり、ルピー安圧力がかかります。

外国人投資家は為替リスクを嫌い、一時的にインド株から資金を引き揚げる動きが加速する可能性もあります。

短期的には株式市場のボラティリティ(変動率)が上昇することは避けられません。

中長期的には構造改革が追い風

一方で、中長期的な視点では、インド株にとって必ずしもネガティブ一色ではありません。

関税摩擦によって米国企業が中国依存を減らす動きを強めれば、「チャイナ・プラスワン」の受け皿としてインドに投資が流入するシナリオも考えられます。

製造業振興やインフラ整備を推し進めるモディ政権の政策は、むしろ米国関税強化によって後押しされる可能性があります。

投資家への示唆

短期的には米国関税強化がインド株に調整圧力をかけることになりますが、中長期ではインドの成長ストーリーは揺るがないと見る投資家が多いのも事実です。

ITや繊維など米国依存度の高いセクターには警戒を払いながらも、製造業・インフラ関連株は押し目買いの好機となるとの見方もできます。