三菱UFJフィナンシャルグループは、日本最大の民間金融グループです。
銀行、信託、証券、カード、リースなど金融の幅広い分野で国内最大手となっています。
そんな三菱UFJフィナンシャルグループは、配当利回りも良く、なんと5%を超えています。
今回は、そんな超有名企業かつ高配当銘柄である三菱UFJフィナンシャルグループについてご紹介していきます。
- 三菱UFJ FGの株価状況
- 三菱UFJ FGの財務状況
- 三菱UFJ FGの株価推移
- 三菱UFJ FGの事業内容
- 三菱UFJ FGの当期純利益の推移
- 三菱UFJ FGの配当金の推移
- 三菱UFG FGの配当性向は60%程度
- 三菱UFJ FGの業績と今後について
- まとめ
三菱UFJ FGの株価状況
株価(6/21 15:00)
439.2
年初来高値
586.2 (2020/01/09)
年初来安値
380.0 (2020/03/23)
最高値(過去10年)
936.8(2015/6/1)
最安値(過去10年)
318.0(2011/11/25)
PER:6.37倍
PBR:0.34倍
配当金(会社予想):25円
配当利回り:5.7%
配当性向(会社予想):35.9%
配当権利確定日:3月末、9月末
ROE:3.3%
ROA:0.2%
EPS:66.6円
三菱UFJ FGの財務状況
ROE:3.3%
ROEは、10~20%程度であれば優良企業であると判断されます。
自己資本利益率(ROE:Return on Equity)とは、自己資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の指標です。
自己資本とは、株主からの出資金と事業活動から得た利益の蓄積を表しています。
ROE(自己資本利益率)は、企業が自己資本をいかに効率的に運用して利益を生み出したかを表す指標です。
株主の立場から見ると、自己資本利益率が高い会社は「自分が投資したお金を使って効率よく稼いでいる会社」であると見ることができます。
三菱UFJ FGは、株主から集めたお金と事業活動から得たお金をどれだけ有効活用しているか示すROEが3.3%です。
ROE5%は低い水準であり、もう一踏ん張りといった状況です。
金融危機後、メガバンクは資本増強に努めてきました。
資本を厚く積むとROEは低い水準になりやすくなります。
こうした状況から、三菱UFJFGのROEは低水準だと言えるでしょう。
世界の大手銀行でROEが低い水準であることから、IMF(国際通貨基金)は「将来の規制に備えた資本のバッファーが薄く、かつ今後数年、バッファーを築くための収益性が弱い銀行には注意が必要だ」と低収益体質の銀行に警笛を鳴らしています。
三菱UFJフィナンシャルグループの三菱UFJ銀行は、2023年度までに本部に所属する社員数を半減する方針を発表し、収益率の向上に努めています。
また、店舗統廃合、デジタル化などの構造改革を進めています。
ROA:0.2%
ROAが5%が超えていると優良企業であると判断されます。
ROA(総資産利益率:Return On Assets)とは、総資産に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の収益性の指標です。
純資産(自己資本)、負債(他人資本)を含めた、すべての資本をいかに効率的に運用できているかを表す情報とも言えます。
一般的に、ROAが5%が超えていると優良企業であると判断されます。
ただし、業種によって基準が変わってくるため、ROAを分析する際は同業種の水準と比較することが大切です。
三菱UFJ FGはROAが0.2%です。ROEと同じくもう一踏ん張りです。
EPS:66.6円
EPS:Earnings Per Share(1株当たり利益)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、1株に対して当期純利益がいくらあるのかを表す指標です。
「1株利益」「1株あたり当期純利益」と呼ばれることもあります。
EPSとは、成長性を見る指標です。EPSの推移を見るようにしましょう。
順調にEPSが増えていれば、成長性のある企業であると言えます。
EPSは、会社の規模にかかわらず1株あたりの当期利益の大きさを表しているため、値が大きいほど良いとされます。
順調にEPSが増えている企業は、安定的に収益をあげ、しかも成長中の企業なので、投資先として検討しましょう。
以下は三菱UFJFGのEPSの推移を示したグラフです。
2014年:69.5円
2015年:73.7円
2016年:69.0円
2017年:69.0円
2018年:75.2円
2019年:67.5円
2020年:41.1円
2021年:未定(会社予想)
2014年頃からEPSはほぼ横ばいとなっています。
三菱UFJフィナンシャルグループの三菱UFJ銀行は、2023年度までに本部に所属する社員数を半減する方針を発表しています。
店舗統廃合、デジタル化などの構造改革を進めています。
2020年のEPSは、前年より上昇する予想となっています。
PER:6.37倍
株価収益率(PER:Price Earnings Ratio)とは、財務分析で企業の成長性を分析するときに利用する指標の一つであり、株価が1株ごとの当期純利益の何倍まで買われているかを表すものです。
PER(倍) = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)
PERが低いほど会社の利益に対して株価が割安であり、高いほど株価は割高だと判断できます。
PERは会社の利益を基準に判断し、PBRは会社の資産を基準に判断されます。
PER15倍以下なら割安と言われていますので、現在の東レの株価は、かなり割安だといえます。
PERは、6.37倍です。10倍を大幅に下回る水準であり、かなり割安だといえます。
今が買い時かもしれません。
PBR:0.34倍
PBR:Price Book-Value Ratio(株価純資産倍率)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、会社の純資産に対して株価が適当な水準であるのかを表す指標です。
PBR(株価純資産倍率)は、1株あたりの純資産に対して、何倍の株価で株が買われているかを表しています。PBRを見れば、会社の資産に対して株価が高いか安いかを判断できます。
PBRの目安は1倍以下です。
一般的な目安として、PBR(株価純資産倍率)が1倍以上なら割高で、1倍を割るようであれば割安であると考えられています。
PBRが1倍ということは、株価とBPS(1株あたり純資産)が等しいということであり、その投資段階で会社が解散した場合、株主には投資額がそのまま戻ってくるということを表しています。
PER同様、PBRも三菱UFJFGは、かなり低い値であり、割安です。
株価指標の読み方については、以下の記事で解説していますので、是非ご覧ください。
三菱UFJ FGの株価推移
10年チャート 株価(6/21 15:00)439.2円
出所)(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ【8306】:リアルタイム株価チャート - Yahoo!ファイナンス
1年チャート 株価(621 15:00)439.2円
出所)(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ【8306】:リアルタイム株価チャート - Yahoo!ファイナンス
今回の新型コロナウィルスの影響で株価が一気に100円以上近く下げ、一時300円台に突入しまにた。
もっとも下げた時には、年初来高値586円(2020/1/9)から200円も安い、380円となりまきた。
しかし、その後は若干持ち直しましたが、400円台で推移しています。
PERもかなり低く、割安といえる状態が続いています。
株価が低水準である今が買い時かもしれません。
三菱UFJ FGの事業内容
三菱UFJフィナンシャルグループは、6つの事業本部から構成されています。
MUFGは、2018年7月に、事業本部のセグメンテーションを見直し、銀行・信託銀行・証券がグループ一体運営を推進する体制を構築しました。
お客さまとの接点となる事業本部は、日系と非日系、個人・中堅中小企業と大企業にそれぞれの組織を設定し、受託財産と市場を加えた6事業本部制としました。
法人・リテール事業本部(R&C)
個人や中堅中小企業のお客さまへの貸出(含む住宅ローン)・コンシューマーファイナンス・決済(含むカード)・資産運用から相続や不動産など幅広い金融サービスの提供、事業・資産承継といったソリューション提供などを通じて、お客さまの多様なニーズにグループ一体でお応えしています。
コーポレートバンキング事業本部(JCIB)
グローバル化が進む日系大企業のお客さまに対する、貸出や決済、外国為替などのサービス、M&Aや不動産など、グループ各社の専門性を活かしたソリューション提案などを通じて、お客さまの企業価値向上に貢献します。
グローバルCIB事業本部(GCIB)
グローバルCIB事業本部では、グローバル大企業のお客さまに、商業銀行機能と証券機能を中核にグループ一体となって付加価値のあるソリューションを提供するCorporate & Investment Banking業務を展開しています。
グローバルコマーシャルバンキング事業本部(GCB)
既存の出資先であるMUFGユニオンバンクやクルンシィ(アユタヤ銀行)、バンクダナモン等※を通じて、海外地場の中小法人・個人向けに金融サービスを提供し、世界に選ばれる信頼のグローバル金融グループ実現をめざします。
※当事業本部は、MUFGユニオンバンク、クルンシィ(アユタヤ銀行)、バンクダナモン、ヴィエティンバンク、セキュリティバンク等を所管します。
受託財産事業本部(受財)
資産運用、資産管理、年金の各分野において、高度かつ専門的なノウハウを活用したコンサルティングや、運用力・商品開発力の向上に取り組み、国内外のお客さまの多様なニーズにお応えしています。
市場事業本部(市場)
金利/債券・為替・株式のセールス&トレーディング業務を中心とする顧客ビジネスやトレジャリー業務※を主に担っています。
※貸出などの資産と預金などの負債に内在する資金流動性リスクや金利リスクなどを総合的に管理するALM運営やグローバル投資など
三菱UFJ FGの当期純利益の推移
2017年に最高益を更新しましたが、その期を境に業績は下落を続けています。
2020年は前年の2019年の当期純利益を大きく下回りました。
新型コロナウィルスの影響を向い風となり難しい状況でしょう。
2011年:6,210億円
2012年:9,813億円
2013年:8,526億円
2014年:9,848億円
2015年:10,337億円
2016年:9,514億円
2017年:9,264億円
2018年:9,896億円
2019年:8,726億円
2020年:5,281億円
2015年時点では1兆円を越える当期純利益を出したものの、2019年には8,726億円、2020年は5,281億円となり、下落してきています。
減益が続いている主な要因は、金利低下や投信販売の不振で国内部門による苦戦と海外融資の減速です。
海外での規制対応の費用も重荷となっており、アジアなど新興国経済の減速で海外融資も減速している状況です。
三菱UFJ FGの配当金の推移
三菱UFG FGの配当金は、現在は1株当たり25円と高配当を続けています。また、ここ10年増配し続けています。
2011年:12円
2012年:12円
2013年:13円
2014年:16円
2015年:18円
2016年:18円
2017年:18円
2018年:19円
2019年:22円
2020年:25 円
2021年:25円(会社予想)
増配トレンドを続けています。今年度は過去最高の配当を達成する予定です。
東レの配当権利確定日は「3月末と9月末」です。
つまり、口座に配当金が入金されるのは、権利確定日から6ヶ月後の「6月末と12月末」となります。
三菱UFG FGの配当性向は60%程度
配当性向は、1株当たりの利益のうちどれだけの割合を配当金に当てたかを示す指標です。
配当性向は、以下の数式で求められます。
当期純利益÷配当金総額
EPS(1株当たり純利益)÷1株当たり配当金
三菱UFJ FGは、当期純利益の30%を配当金として株主に分配しています。
配当性向30%は標準的な数値だと言えます。
2014年:23.0%
2015年:24.4%
2016年:26.0%
2017年:26.0%
2018年:25.2%
2019年:32.5%
2020年:60.7%
この数年間、配当性向は上昇し続けていました。
その理由は、当期純利益が2016年から下落し続けているにもかかわらず、増配を続けているからです。
2020年の配当性向は60%と少々高い値となっています。
一般的な企業の配当性向は30%程度であることから、この値が長期的に続けば少々過度な配当といえるでしょう。
三菱UFJ FGの業績と今後について
国内においては日銀の大規模金融緩和が以前として続いていることで金利収入が落ち込み伸び悩んでいます。
融資は堅調に推移していますが、低金利の影響で利ざやの乏しい状況が続いてます。
低金利による収益力の低下が鮮明に現れています。
株価の乱高下で市場部門も苦戦しています。
投資信託の販売額も伸び悩み、手数料収入も減少している状態です。
三菱UFJフィナンシャル・グループは、国内メガバンクでは唯一全体の利益に対する海外比率が5割程度です。
東南アジアの子会社に力を入れており、タイとフィリピン、インドネシアに出資しています。
中でもインドネシアの子会社、インドネシア銀行は、インドネシアで最大手です。
グローバル展開を進めているものの、米中貿易摩擦や新型コロナウィルスの影響もあり、全体的に世界経済の先行きは不透明です。
グローバル化が上手くいくかがポイントになってきます。
マイナス金利政策の長期化で国内は本業の融資利回りが低下し、アジアなど新興国経済の減速で海外融資も減速し暗雲が立ち込めています。
三菱UFJFGは、今後、アジアで基盤を持ちつつ世界的な競争力を持つための施策を進めているところです。
今後、アジアでの地盤を固め、さらに世界各国へ販路を拡大できるかがポイントになってくるでしょう。
まとめ
三菱UFJ FGの魅力は、配当利回り5%超えの超高配当銘柄という点です。
さらにPERは6.37倍、PBRは0.34倍とかなり割安と言える水準です。
この水準は、過度に割安といえる水準です。
こうしたことから、三菱UFJFGは、今のような株価が下落しているときに買っておきたい銘柄のひとつです。
市場が三菱UFJFGの評価を見直すことになれば、株価は大きく上昇することでしょう。
低金利により業績は決して好調とは言えない状態ですが、海外比率が5割程度とグローバル展開を進めており、グローバル化が上手くいけば業績は改善していくでしょう。
三菱UFJFGは、今後、アジアでの地盤を固め、さらに世界各国へ販路を拡大できるかがポイントになってきます。