企業研究

   

【長期投資】株式指数の下落時に心がけるべき3つのポイント

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現在、新型コロナウイルスの新たな変異株が南アフリカ共和国とボツワナで特定され、新規感染の急増との関連が指摘されているところです。

WHOは、当該変異株をオミクロンと名付け、「懸念される変異株(VOC)」のリストに加えました。

各国政府は南アフリカとその周辺諸国からの渡航を制限する措置を発表。既存のワクチンをすり抜けることで感染を再拡大させ、世界経済への影響を懸念し、世界各国の株式指数は軒並み急落しています。

こうした事態を受け、皆さんが保有している金融資産に含み損が出てしまっているかも知れません。

私も、今回のような株式相場の急落により、含み益や含み損の状況を幾度となく経験したことがあります。

そこで急遽、少しでも皆さんのお役に立てればと思い、自分の経験から学んだアドバイスを少しお話していきたいと思います。

オミクロン株を受けて世界の株式相場が急落

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オミクロン株は今後さらに猛威を振るうことが予想されます。

以下の日本経済新聞とBloombergの記事をご参照ください。

日本経済新聞 11月30日 モデルナCEO、既存ワクチン「効果低い」 オミクロンに米バイオ製薬大手モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」に対する既存ワクチンの有効性は「かなり低い」との見方を示した。オミクロン型に対応するワクチンを製造するには「数カ月かかる」との見通しも示した。バンセル氏は、南アフリカで急速に広がったオミクロン型について、50の変異のうち32が、ウイルスが細胞に入り込む際に重要な役割を果たす「スパイクたんぱく質」で見つかった点に言及。既存のワクチンについて「(オミクロン型へは)デルタ型と同じレベルの効果が得られるとは思わない」などと話した。どの程度の効果が得られるかについては「データを待つ必要がある」と断ったうえで「かなり低いと思う。私がやりとりしている科学者らと話したが、(有効性について)見通しは良くない」と語った。現在使用しているワクチンのオミクロン型に対する効果と、オミクロン型が重症化を引き起こすかどうかを示すデータは2週間以内に入手できるだろうとも指摘した。新型コロナ: モデルナCEO、既存ワクチン「効果低い」 オミクロンに: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

Bloomberg 11月30日モデルナCEO、オミクロンに既存ワクチン効果弱いと警告-報道
米医薬品メーカー、モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」について、従来株に対するより既存ワクチンの効果がはるかに弱いとの見通しを示し、オミクロン株に特化したワクチンをまとまった規模で製造できるようになるには、数カ月を要するだろうと警告した。バンセルCEOは、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、オミクロン株は、感染に関わるスパイクたんぱく質の変異の数が多く、南アフリカ共和国で急速に感染が拡大しており、来年には既存のワクチンに修正を加える必要がある可能性を示唆すると語った。同CEOは「デルタ株に対してと(効果が)同じレベルの世界は存在しないと私は考える。(効果が)著しく低下すると私は思う。データを待つ必要があるため、どの程度かは分からない。だが私が話した科学者は全員が『良くなさそうだ』という反応だ」と説明した。バンセル氏によれば、オミクロン株の50の変異のうち32が、免疫機能を高めるため既存のワクチンが標的とするスパイクたんぱく質で起きている点を科学者は懸念しており、これほど高度な変異株はあと1、2年は現れないと大部分の専門家が考えていた。既存のワクチンの効果と、オミクロン株が重症化を引き起こすかどうかを示唆するデータは2週間以内に入手できるだろうと同氏は指摘した。バンセル氏はまた、モデルナが2022年に合計20億-30億回分のワクチンを製造可能との見通しを示す一方、他の変異株の感染がまだ続いている状況では、同社の全生産能力をオミクロン株に特化させるのは危険だと述べた。特化したワクチンの大量生産が可能になるまでは、高齢者や免疫不全の人々に対し、より強力なブースター(追加免疫)接種を提供する可能性も同氏は示唆した。原題:Moderna CEO Predicts Vaccines to Struggle With Omicron: FT、Moderna CEO Says World May Need New Vaccines to Fight Omicron(抜粋)モデルナCEO、オミクロンに既存ワクチン効果弱いと警告-報道 - Bloomberg

モデルナのCEOは、日本時間11月30日14時頃に、オミクロン株が従来株に対するより既存ワクチンの効果がはるかに弱いとの見通しを示し、オミクロン株に特化したワクチンをまとまった規模で製造できるようになるには、数カ月を要するだろうと警告をしました。

これを受け、世界各国の株式指数は、急落している状況です。そして、今後も下落傾向が続くことでしょう。

こうした事態を受け、皆さんが保有している金融資産に含み損が出る可能性が生じている状況です。

そこで急遽、今回のような株式指数の急落時に心がけるべき長期投資のポイントを以下でご紹介します。

下落時に心がけるべき3つのポイント

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含み損が発生してしまっている方は、少なくはないと思います。

まだ含み損が出ていない方であっても、これから含み損が出てしまったとき、どのように対応するべきか心に留めておくことは非常に重要です。

含み損とは、すでに金融商品を購入して、保有している状態で、購入した価格からと比べ、現在の価格が下がってしまった状態を指します。つまり、含み損とはまだ損が確定していないことを意味します。

売ってしまったら損が確定してしまいますが、まだ損にはなってない状態です。

含み損が生じたときに、必ず心がけてほしいことが3つあります。

①さらに買おうとしないこと

株価指数が急落したり、下がっているときにチャンスだと思い、手を打ちたいと思う感情が抱く方がいらっしゃることでしょう。

しかし、株価指数が大きく下がっている最中に、買いの注文を入れてしまうと、さらに下がる危険性があります。

投資の格言の一つに「落ちているナイフは絶対に掴むな」という言葉があります。

特に含み損が出ていると、気持ちが焦り、どうしてももう少し買ってみたいという感情が出るかもしれません。

そこは我慢です。下がっている時に買ってしまうことは、やってはいけないことの一つです。

②慌てて売ろうとしないこと

下落したら焦ってすぐに売らないようにしましょう。

長期的に投資をしていく上で、意識していただきたい考え方、それは「相場が下落した方が得である」ということです。

株価は安く買えれば買えるほど長期投資家のリターンにとってプラスです。

ポジションを持っていると、どうしても株価が上がれば利益が増えるため嬉しくなり、株価が下がると焦ります。その気持ちは痛いほどわかります。私も同じです。

しかし、ぜひ株価指数の急落時は、「相場は下がった方が得である」という考え方を持つようにしてみてください。

長期積立投資をしている方は、株価が下がれば下がるほど、有利なのです。

一定期間に一定額を長期積立投資していると、株価が下がれば下がるほど一定額で多くの数量を買うことができます。

その後、株価が回復すれば利益もより増大することになります。

 

S&P500の場合、下落相場でもいつか回復します。それは、過去のデータが物語っています。

以下のグラフを見てください。

S&P500の過去の30年のデータです。

(1990年〜2020年)

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過去に何度か下落局面はあるものの、ずっと上昇を続けています。

下落はあるものの、いつかは回復するわけです。

データを少し詳しく見ていきましょう。

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S&P500は2000年代に入り、2度の大暴落を経験しています。2000年〜2001年のITバブル崩壊と2007年〜2008年のリーマンショックです。

この2つの暴落のうち、リーマンショックの方が下落が深刻ですね。

リーマンショック後のS&P500の底値は、約680ポイントです。しかし、その28年前の1990年を見て下さい。

S&P500は約350ポイントとなっています。

つまり、リーマンショック直後の相場も20年前と比べたら、およそ2倍になっているわけです。

リーマンショック1年後の2010年には、1180ポイントになっており、値上がりだけで3倍以上になりました。

リーマンショック前の水準は、約1600ポイントでしたので、リーマンショックから5年後の2013年から2014年でリーマンショック前の水準に戻したことになります。

 

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2000年初めのS&P500は、約1400ポイントとなっていました。

そこから、ITバブル崩壊とリーマンショックという二度の大暴落を経験しながらも、20年後の2020年は、約3240ポイントとなっています。

投資期間が20年30年と長期になればなるほど、下落の影響は小さいものになるわけです。

むしろ、相場の下落によって安く買えるため、長期投資にはありがたい話なのです。

下落したら焦ってすぐに売らないようにしましょう。

③投資ルールを変えないこと

最後に、一番重要なことをご紹介します。

それは、下落しても「自分の投資ルールを変えないこと」です。

月に1回同じタイミングで、同じ額を購入している方であれば、そのルールを守り続けて下さい。

株式指数が急激に下落したからといって、急に購入する額を増やしたり、減らしたりしないようにして下さい。

計画を立ててルールを守ることは、特に含み損が出ているときが大切になってきます。

資産が減ってしまっている状況下では、特に平常心を保ち、普段通りの行動が求められます。

皆さんの普段のスケジュールを淡々とこなして下さい。僕の場合は、毎日、新聞を読み、だいたい数週間に1回、自分の資産状態を見ています。

そして、月に1回、一定の額で、同じ投資信託を買い続けています。

こういう大きな含み損が出ているときであってもこのルールを変えることはありません。この規律性の維持が暴落時は非常に重要です。

含み損が出てしまっても、含み益が出ても、普段と同じ行動をし続けることが、大変重要になってきます。