今旬を迎えている5G関連銘柄、AI関連銘柄において、注目を集めている銘柄があります。アドバンテストです。
アドバンテストは、スマートフォン、パソコン、家電、自動車、AI、ロボットなどさまざまな機器で使われる半導体の検査装置や5Gの検査装置で世界シェアの半分を担っています。
そんなアドバンテストは、ROE24.9%と超高収益の企業です。
旬の5G関連銘柄であり、高収益の超優良銘柄であるアドバンテストについてご紹介します。
- アドバンテストの株価状況
- アドバンテストの財務状況
- アドバンテストの株価推移
- アドバンテストの事業内容
- アドバンテストの当期利益の推移
- アドバンテストの配当金の推移
- アドバンテストの配当性向の推移
- アドバンテストの今後の見通し
- まとめ
アドバンテストの株価状況
株価(4/28 15:00)
4,975.0
年初来高値
36,640 (2020/01/23)
年初来安値
3,335 (2020/03/19)
最高値(過去10年)
6,640.0(2020/1/23)
最安値(過去10年)
671.0(2012/1/16)
PER:16.45倍
PBR:4.95倍
配当金(会社予想):75円
配当利回り:1.85%
配当性向(会社予想):30.69%
配当権利確定日:3月末、9月末
自己資本比率:66.8%
ROE:24.9%
ROA:18.7%
EPS:270.2円
アドバンテストの財務状況
自己資本比率:66.8%
自己資本比率とは、返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%あるかを示す数値です。
自己資本とは、株主からの出資金と事業活動から得た利益の蓄積を表しています。
自己資本比率は、自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)で算出します。
自己資本比率が小さいほど、他人資本の影響を受けやすい不安定な会社経営を行っていることになり、倒産するリスクが高まります。
一方で自己資本比率が高いほど経営は安定し、倒産しにくい会社となります。
自己資本比率は会社経営の安定性を表す数値であり、高いほどよいのです。
では自己資本比率がどのくらいなら倒産しない会社といえるでしょうか。
一般に自己資本比率が70%以上なら理想企業ならまずつぶれません。
40%以上なら倒産しにくい企業といえます。
アドバンテストの自己資本比率は、66.8%であり、健全経営をしており倒産のリスクは低めです。
ROE:24.9%
ROEは、10~20%程度であれば優良企業であると判断されます。
自己資本利益率(ROE:Return on Equity)とは、自己資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の指標です。
自己資本とは、株主からの出資金と事業活動から得た利益の蓄積を表しています。
ROE(自己資本利益率)は、企業が自己資本をいかに効率的に運用して利益を生み出したかを表す指標です。
株主の立場から見ると、自己資本利益率が高い会社は「自分が投資したお金を使って効率よく稼いでいる会社」であると見ることができます。
アドバンテストは、株主から集めたお金と事業活動から得たお金をどれだけ有効活用しているか示すROEが24.9%となっています。
ROEが10%を大きく上回っており、自己資本利益率はかなり高めです。
ROA:18.7%
ROAが5%が超えていると優良企業であると判断されます。
ROA(総資産利益率:Return On Assets)とは、総資産に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の収益性の指標です。
純資産(自己資本)、負債(他人資本)を含めた、すべての資本をいかに効率的に運用できているかを表す情報とも言えます。
一般的に、ROAが5%が超えていると優良企業であると判断されます。
ただし、業種によって基準が変わってくるため、ROAを分析する際は同業種の水準と比較することが大切です。
アドバンテストのROAが18.7%であり、総資産利益率もかなりの高水準であり、収益性が高い企業だと言えます。
EPS:270.2円
EPS:Earnings Per Share(1株当たり利益)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、1株に対して当期純利益がいくらあるのかを表す指標です。
「1株利益」「1株あたり当期純利益」と呼ばれることもあります。
EPSとは、成長性を見る指標です。EPSの推移を見るようにしましょう。
順調にEPSが増えていれば、成長性のある企業であると言えます。
EPSは、会社の規模にかかわらず1株あたりの当期利益の大きさを表しているため、値が大きいほど良いとされます。
順調にEPSが増えている企業は、安定的に収益をあげ、しかも成長中の企業なので、投資先として検討しましょう。
以下はアドバンテストのEPSの推移を表したグラフです。
2016年:38.4円
2017年:81.1円
2018年:101.9円
2019年:302.4円
2020年:270.12円
2021年(予):272.2円
EPSは、2018年まで徐々に上昇を続け、2019年に大きく上昇しています。2018年比で約300%増です。
2020年は270円と減少となっています。
PER:16.45倍
株価収益率(PER:Price Earnings Ratio)とは、財務分析で企業の成長性を分析するときに利用する指標の一つであり、株価が1株ごとの当期純利益の何倍まで買われているかを表すものです。
PER(倍) = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)
PERが低いほど会社の利益に対して株価が割安であり、高いほど株価は割高だと判断できます。
PERは会社の利益を基準に判断し、PBRは会社の資産を基準に判断されます。
PERは15倍以下の場合に割安銘柄だと判断されます。
現在のアドバンテストのPERは16.45倍です。
IT関連銘柄は、将来性が期待でき、人気銘柄であることから、総じてPER、PBRともに高めになります。
アドバンテストのPERは、IT関連銘柄の中では標準的な値です。
PBR:4.95倍
PBR:Price Book-Value Ratio(株価純資産倍率)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、会社の純資産に対して株価が適当な水準であるのかを表す指標です。
PBR(株価純資産倍率)は、1株あたりの純資産に対して、何倍の株価で株が買われているかを表しています。PBRを見れば、会社の資産に対して株価が高いか安いかを判断できます。
PBRの目安は1倍以下です。
一般的な目安として、PBR(株価純資産倍率)が1倍以上なら割高で、1倍を割るようであれば割安であると考えられています。
PBRが1倍ということは、株価とBPS(1株あたり純資産)が等しいということであり、その投資段階で会社が解散した場合、株主には投資額がそのまま戻ってくるということを表しています。
PBRは、4.95倍となっており、1倍を上回っていることから、割高水準です。
しかし、IT関連銘柄は、割高水準だからといって買え控えるのは筋違いです。
IT関連銘柄は、将来性が期待でき、人気銘柄であることから、総じてPER、PBRともに高めになります。
株価指標の読み方については、以下の記事で解説していますので、是非ご覧ください。
アドバンテストの株価推移
10年チャート
出所)(株)アドバンテスト【6857】:株式/株価 - Yahoo!ファイナンス
1年チャート
出所)(株)アドバンテスト【6857】:株式/株価 - Yahoo!ファイナンス
新型コロナウィルスの影響で株価は、一時2,000円以上下げ、4,000円を割りました。
しかし、その後は反発し、現在、5,000円付近で推移してます。
アドバンテストの事業内容
半導体・部品テストシステム事業部門
ATEビジネス
半導体は、スマートフォン、パソコン、家電、自動車、ロボットなどさまざまな機器で使われる、人々の暮らしに不可欠な基幹電子部品です。その種類はロジックIC、アナログIC、メモリICなど多岐にわたります。それぞれが固有の機能と回路構造を持っており、またその性能も日進月歩で向上しています。
半導体試験装置(ATE:Automated Test Equipment)は、そうした複雑多様な半導体を高精度に電気試験することで、半導体の品質・性能・信頼性保証を行う装置です。アドバンテストの業界最高峰の自動化テスト技術は、顧客の生産効率向上、エレクトロニクス産業の技術革新、そして社会の「安心・安全・心地よい」に貢献しています。
SoCテスト・システム
メモリ・テスト・システム
メカトロニクス関連事業部門
デバイス・インタフェース/テスト・ハンドラビジネス
テスト・システムと半導体を電気的に接続する際に必要となる「デバイス・インタフェース」や、パッケージ済み半導体をテスト・システムに搬送する「テスト・ハンドラ」など、半導体試験の周辺機器を提供しています。
ナノテクノロジービジネス
サービス他部門
フィールド・サービス
テスト・システムの設置サポートやメンテナンスをはじめ、新デバイスの量産テストの早期立ち上げやテストフロア全体の稼働率向上など、お客様の生産性改善に貢献する包括的サービスを提供しています。
SLTビジネス
ハイエンド・データサーバへの導入が拡大しているエンタープライズSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)やIoT時代を支えるクライアントSSDを、システムレベルでテストする装置を提供しています。
上記以外に、半導体・部品テストシステム製品・メカトロニクス関連事業製品の中古品販売および装置リース事業、および新企画事業等が当部門の事業内容に含まれます。
事業別売上では、半導体・部品事業が70%以上を占めています。
地域別売上では、台湾が30%、韓国が24.5%、中国が23.3%を占めています。
SoCテスタ、メモリ・テスタともに市場シェアで半分以上を占めいています。
アドバンテストの当期利益の推移
2014年に最高益である、当期純利益3,006億円を突破しましたが、その後は横ばい状態となり、2020年は減益見込みとなっています。
2015年:7億円
2016年:66億円
2017年:142億円
2018年:181億円
2019年:569億円
2020年:535億円
2021年(予想):540億円
当期純利益は、2018年まで徐々に上昇を続け、2019年に大きく上昇しています。2018年比で約300%以上の上昇しました。
しかし、直近の2020年4月24日の決算では535億円を計上し、やや減少しました。
スマートフォン向けやメモリー半導体の検査装置が苦戦したことが主な要因です。
また、次世代通信規格「5G」の立ち上がりに備えたエンジニアの採用拡大で人件費かみました。
21年3月期は5G向けスマホの拡大で顧客の投資が活発化し、検査装置が伸びて増収増益を期待します。
アドバンテストの配当金の推移
2016年:20円
2017年:25円
2018年:32円
2019年:92円
2020年:82円
2021年(予想):未定
アドバンテストの配当金は、2019年まで増配を続けてきました。
今年の配当金は、昨年の一株あたり92円から10円減配の82円となりました。
利益減少による影響が大きいといえます。
アドバンテストの次回の配当権利付き最終日ですが、中間配当金は2020年9月28日、期末配当金は2021年3月29日です。
中間配当金は12月上旬、期末配当金は6月上旬に支払予定となっています
アドバンテストの配当性向の推移
配当性向は、1株当たりの利益のうちどれだけの割合を配当金に当てたかを示す指標です。
配当性向は、以下の数式で求められます。
当期純利益÷配当金総額
EPS(1株当たり純利益)÷1株当たり配当金
アドバンテストは、当期純利益の30.69%を配当金として株主に分配する予定ということです。
2015年:10.4%
2016年:52.15%
2017年:28.32%
2018年:20.54%
2019年:24.19%
2020年:30.69%
ここ数年の配当性向は、20%から30%と標準的な値で推移してきています。
2020年は配当性向が30%となり一般的な数字といえます。
配当性向とは、企業が1年で稼いだお金のうちどれだけの割合を配当金に当てているか示した値です。
まだまだ配当の余力はありそうです。
アドバンテストの今後の見通し
アドバンテストが24日発表した2020年1~3月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比66%増の148億円となり5四半期ぶりの増益でした。
1~3月期は買収した事業で一時的に受注高が膨らみました。
データ記憶に使う「メモリー半導体」に関わる設備投資が回復し、主力の半導体検査装置で増収増益となりました。
売上高は7%増の682億円となり、このうちメモリー向け検査装置が145億円と前年同期の2倍強に膨らんでいます。
メモリー市場において巻き返しの兆しが出てきています。
メモリー市場は、AIやロボットをはじめとした需要が見込まれることから、将来性にも期待ができます。
Socテスタも次世代通信規格「5G」の投資が今後も拡大していくことが見込めれることから、高い水準を維持しています。
スマートフォン向け検査装置は、次世代通信規格「5G」が実用化され、対応するスマホの新機種開発や量産が需要の伸びにつながっています。
スマホは機能が上がると検査時間が長くなり、検査の効率を引き上げるため装置を増やす傾向もあることから、データセンターに関わる設備投資も追い風となっています。
半導体の高性能化と複雑化がテスタ需要を喚起する市場構造は不変とみています。
ハイエンドな半導体採用を必須とする5Gスマートフォンやデータセンター向けのテスタ需要は底堅く、暦年20年前半までは一定の需要が持続する見通しです。
一方で新型コロナが広がり、今後は自動車やスマホの需要が見通しがつかない状況です。
コロナウィルスの影響で、自動車、産業用機械、ディスプレイ、モバイルと、広範囲でテスタの状の先行きが不透明感を増しています。
例年は年間の業績予想を開示するが、今回は四半期予想にとどめています。一部の部材調達にも4月から支障が出ているとのことです。
次の四半期である、20年4~6月期は、連結売上高が前年同期比6%増の700億円、純利益は13%減の105億円になりそうだとしています。
メモリー半導体の検査装置は引き続き伸びる予想ですが、採算の良いスマホ向けは一服する見通しとなっています。
まとめ
メモリー市場は、AIやロボットをはじめとした需要が見込まれることから、将来性にも期待ができます。
Socテスタも次世代通信規格「5G」の投資が今後も拡大していくことが見込めれることから、高い水準を維持しています。
2020年前半までは、5Gスマートフォンやデータセンター向けのテスタ需要は底堅く、一定の需要が持続する見通しです。
一方で新型コロナが広がり、今後は自動車やスマホの需要が見通しがつかない状況です。
コロナウィルスの影響で、自動車、産業用機械、ディスプレイ、モバイルと、広範囲でテスタの状の先行きが不透明感を増しています。
2020前半という中期で見ると買いかもしれません。
しかし、短期で見た場合、先行きが不透明であることから、買いづらい状況です。
2025年まで保有する予定ならいまが買いかもしれません。
ただし、2020年4-6月期、2020年7-9月期、2020年10-12月期の業績を見てからでも良いでしょう。
旬の5G関連銘柄であり、高収益の超優良銘柄であることは間違いないため、今後の動向に注目です。